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社会という教科には、「正しい学習サイクル」が存在することを知っていますか?
この正しい学習サイクルにのっとって学習していかないと、いくら時間をかけても
ほとんど成果には結びつきません。さらには、社会が苦手になるといった悪循環に陥りかねません。
しかし、毎日のように塾に通い、確認テストや宿題がある状態で、社会以外の他の教科でも
すべき課題がたくさんになっていると、このサイクルを守れなくなるのです。
ここで、社会の正しい学習サイクルをお話する前に、まずは、算数の学習サイクルから見ていきましょう。
●算数の学習サイクル
- 塾の授業で先生に新しい単元の基本公式を習い、その公式を使った例題を解いてみる
- 問題演習で、習った単元の類題を解いていく演習の時間が与えられる
- 演習で解いた問題の答え合わせ・解説を行い、公式・問題の理解度を確認する
算数の場合、一般的にはこのような学習サイクルになり、問題演習で問題を解くのに時間が一番かかります。
さらに、本質的には同じ公式や考え方を用いる場合でも、問題文の数字が変わった場合、
答えも変わってしまいますし、問題文の問われ方によっても、本質的には同じ問題が全く違う
見え方になってしまう場合もあります。
4教科の中で、算数の成績を上げることが一番難しい、
算数は苦手だと中学入試では成功できないなどと言われる理由ですね。
では、社会の学習サイクルを見てみましょう。
●社会の学習サイクル
このように、社会の学習サイクルは上のような3ステップになっています。
すごくシンプルな流れですが、この順番で学習しないと、まず間違いなく社会の成績は上がりません。
ですから、まずはこの3サイクルを必ず頭に入れてください。
しかし、社会の成績を上げるためには、このサイクルを守るだけでは不十分です。
社会の成績を上げるためには、この3つのサイクルを
次のような正しい時間配分で学習する必要があります。
このように、【1.授業 20%】【2.暗記60%】【3.問題演習20%】の時間配分が最適なのは、
社会という教科の特性が関係してきます。
それは社会の場合、他の教科と違って、
問題演習という時間が圧倒的に少なくて良いということです。
さきほど例に出した算数の場合ですと、問題文の数字や問われ方が変わってしまえば
全く違う問題になってしまいますので、一定量の問題演習や実戦がどうしても必要になります。
ところが、社会では、問われ方が違うだけで、問われることは、
そのキーワードを覚えているかいないかだけなのです。
もっと具体的に話します。社会の歴史には、このような内容があります。
607年に小野妹子が遣隋使として中国に行った。
これは、非常に重要ですが、重要なポイントは限られています。
607年、小野妹子、遣隋使たったこの3つです。
では、この内容に対して、問題演習といっても
- 小野妹子は何年に中国に行きましたか?【答え】607年
- 607年に遣隋使として派遣されたのは誰か?【答え】小野妹子
- 小野妹子は、何に任命されて中国にいったか?【答え】遣隋使
テストに出題されるパターンは、たったこれだけしかありません。
わたしは社会科講師として数多くの入試問題を見てきましたが、
社会という教科は、普段から学習していることと、実際の入試で問われるレベルにほとんど差がありません。
ここが、算数・国語・理科と全く異なる点なのです。
算数のように演習を過度にしなくても、一部の難問や奇問を除けば、
ある程度の社会の問題は簡単に解けてしまいます。
つまり、社会に関しては、お子さんの学習センスを全く必要とせず、暗記時間を確保して、覚えたか、
覚えていないかの違いがそのままできる、できないに変わる教科なのです。
現時点で自分の子は社会のセンスがない、社会が苦手だと思っている親御さんがいれば、
その考えを改めてください。それは、まだ社会という教科に真剣に向き合っていないだけです。
はっきりと断言しますが、社会ができない子はおらず、どんな子も正しく学習すれば、
必ず社会の成績は伸びていく教科です。
- 社会を伸ばすのにはセンスはいらず、どんなお子さんでも真剣に取り組めば、
やればやった分だけ伸ばすことができる教科だから。 - 家庭学習で暗記時間をしっかり取ることを中心とした学習サイクルで学習すれば、
少ない時間でもどんどん成績を上げることが出来るから。
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