中学受験を社会で成功させるためのスタディアップ教材はこちら

中学受験 歴史 旧石器時代の重点ポイントまとめ

社会の歴史で中学受験生が初めに習う単元といえば「旧石器時代」です。

日本の始まりともいえるこの時代は、今では想像もつかないような地理や気候、そして人々の暮らしがありました。教科書で初めて見聞きする旧石器時代に思いをはせ、歴史の壮大さに目を輝かせる中学受験生も多いのではないでしょうか。

一方で、中学受験で考えたときには意外と見落とされがちなのが旧石器時代でもあります。単元の内容自体は少ないですが、中学入試でも問われやすいキーワードも多く、新石器時代との違いやこの後に登場する土器との混同も少なくありません。

この記事では、中学受験の歴史「旧石器時代」の重点ポイントについてまとめているので、これから受験勉強を開始する中学受験生や復習をしたい中学受験生はとくに必見です。

旧石器時代の重点ポイントをまとめると…

旧石器時代のポイント
  1. 旧石器時代の年代
    ・・・約1万年前ごろ(~さらに前)
  2. 旧石器時代の遺跡
    ・・・岩宿遺跡(打製石器の発見=人類の存在の証明)
    ・・・野尻湖(マンモスゾウの化石の発見=動物の存在の証明)
  3. 旧石器時代の石器と暮らし
    ・・・旧石器時代は打製石器と狩猟・採集中心の生活
    ・・・⇔新石器時代は磨製石器と農耕・牧畜中心の生活

旧石器時代は今から約1万年前

旧石器時代の年代

人類が地球上にはじめて現れてから約1万年前ごろまでの数百万年間、人々は自然の石やはぎとった石を道具として用いていました。とくに、打製石器(旧石器)とよばれる自然の石を割ったり欠けたりさせて使いやすくした道具を用いていたことから、この時代のことを旧石器時代といいます。

石器と言っても打製石器は石と石を打って「たまたま割れていい感じになった」から道具として使っていただけなので、一見するとその辺に転がっている石ころと区別もつきにくいといわれています。そのため「だせえ(ダサい)石器」と語呂で覚えてしまう人も多いくらいです。

その後、新石器と呼ばれる磨製石器が登場して縄文時代が始まるのが現代から約1万年前ごろであることから、旧石器時代は約1万年前からそれ以前の時代のことを指していると覚えましょう。

旧石器時代の日本は大陸とつながっていた

旧石器時代の日本列島はユーラシア大陸と地続き、つまり歩いて横断ができるように日本は島ではなく大陸の一部分でした。現在は日本とユーラシア大陸との間には日本海がありますが、当時は日本海は海ではなくとてつもなく大きな湖だったのです。

これは、当時の北半球全体が氷河で覆われていた氷河時代であったこととも関係しています。この時代には、学者によって見解に違いはあるものの、4回氷河が発達した時期があると考えられています。

陸地の約3分の1が氷河におおわれ、それまでに活動していた古生人類(アウストラロピテクスの「猿人」やジャワ原人・ペキン原人の「原人」、ネアンデルタール人の「旧人類」など)はみな死に絶えてしまい、その後約5万年~3万年前ごろから気候もしだいに暖かくなって、私たち現代人の直接の祖先とされるクロマニョン人の「現生人類」が誕生したといわれています。

氷河時代には氷河が広がる寒冷な時期と温暖な時期がくり返され、何度も海水面の変動が起こりました。温かくなれば雪や水が温められて水蒸気となり、雨が降って海水面が上がります。一方、冷たくなれば雪も凍って雨が降らなくなり、海水面は下がります。

このようにして旧石器時代が終わる約1万年前ごろには氷河時代が終わり、海水面が上がったことで日本列島は大陸から切り離されて島となったのです。

旧石器時代よりも前の時代

先ほど古生人類について触れたので、旧石器時代よりも前の時代である「先史時代」についても見ていきます。最も古い人類とされる猿人のアウストラロピテクスが誕生したのが今から約400万年~200万年前とはるか大昔のことです。

1924年にアフリカ南部で化石が発見され、腰の骨の様子から当時は直立して歩き、かんたんな石器を使っていたことが確認されています。全体的に体はスリムで、その後に登場する同じ猿人と比べても体が細く、現代のチンパンジーとほとんど変わらない大きさでした。

その後、猿人から原人へと人類は進化し、約70~60万年頃に生存したとされるペキン原人の化石が1920年代に中国で発見されます。原人は猿人と比べて脳の大きさも2倍に発達しており、言葉を使ってコミュニケーションを取っていたことが知られています。

さらに、ペキン原人が暮らしていた洞窟のなかからは厚い灰の化石が見つかったことから、当時すでに人類が火を使っていたことも確認されています。そして、このときには猿人が使っていたつたない石器よりも進歩した打製石器を使っていたころから、原人が生存していた頃は旧石器時代のど真ん中でもあったのです。

中学受験のポイント

✔旧石器時代は約1万年前ごろ
✔当時は氷河期で日本は大陸と地続き
✔人々は打製石器を使っていた

旧石器時代の遺跡「岩宿遺跡」「野尻湖」

旧石器時代の遺跡

地球全体で見ると旧石器時代の存在は確認されていましたが、昭和まもない頃は日本には旧石器時代はない(つまり旧石器時代の約1万年前頃より前に日本に人は住んでいない)と考えられていました。

旧石器時代の証明には打製石器が発掘されるかどうかですが、先ほど述べたように打製石器は普通の石との区別がつきにくく、たとえ打製石器を手元に持っていたとしてもそれが本物かどうかの証明が難しかったのです。

旧石器時代の遺跡①「野尻湖」

一方で、長野県にある野尻湖(のじりこ)でナウマンゾウやオオツノジカの化石が発見されていたことから、旧石器時代に日本に動物が存在していたことは確認されていました。

これは、氷河時代の日本列島は大陸と地続きだったので、大陸から南方系のナウマンゾウやオオツノジカ、北方系のマンモスゾウなどが日本に移ってきたと考えられています。

ちなみにマンモスゾウは博物館で化石が展示されるなど現代の日本でもなじみ深い動物ですが、体の大きさはアフリカゾウと同じくらいか少しだけ小さく、その体に反してキバは約5メートル(種類にもよる)ととても長かったのが特徴です。なお、ナウマンゾウの体の大きさはマンモスゾウよりもさらに小さいです。

旧石器時代は狩猟生活が中心でもあったことから、狩猟の対象であったナウマンゾウやマンモスゾウを追って、日本人の祖先が大陸から日本列島にわたってきたのではないかとも考えられています。

旧石器時代の遺跡②「岩宿遺跡」

終戦後の1949年(昭和24年)、日本に旧石器時代はないという定説を覆す大発見がなされました。群馬県の岩宿(いわじゅく)という場所で、日本で初めて約3万年前の旧石器が見つかったのです。

岩宿は関東ローム層という火山灰が積もってできた赤色の土をした地層であり、この発見によって旧石器時代に日本列島にも人が住んでいたことが証明されました。

なお、「岩宿遺跡」は中学受験の旧石器時代でとくに重要なキーワードなので、中学受験生のみなさんは必ず覚えておくようにしましょう。

この岩宿遺跡を発見したのは、相沢忠洋(あいざわただひろ)さんという当時無名のアマチュア考古学者でした。彼は幼い頃から考古学に興味を抱き、学校で習うわけでもなく完全に独学で考古学を勉強します。子どもの頃には両親が離婚して貧しい環境に身を置かされますが、戦後になって納豆売りという仕事をするかたわら、岩宿で地道に発掘調査を行い、とうとう旧石器のかけらを発見するのです。

ところが、無名だった彼の発見はすぐには信じてもらえず、それどころかある大学の調査チームによって功績を横取りされてしまいます。当時はちゃんとした大学で学んでいない独学の彼の発見は正当に評価されなかったのです。

ですが、そこで考古学への情熱を絶やすような人ではなかったのが相沢さんです。その後も旧石器時代の遺跡を調査し続け、かけらではない完全な形をした石やりのような打製石器を発見し、他にも多くの遺跡を発見したことで日本の旧石器時代の第一発見者として名を残すことになるのです。

このようなエピソードから、中学受験という長い闘いに挑む小学生のみなさんには、ひたむきに努力を積み重ねることの大切さ、そしてその結果得られるものの大きさについて一つの気づきを与えてくれているのかもしれません。

先史時代からも存在した「貝塚」

中学受験の歴史では、縄文時代の単元で「大森貝塚」をキーワードの一つとして習いますが、実は旧石器時代にも貝塚というものは存在していました。

貝塚とは、貝が常に食べられるような海や川に近い地域で暮らす人々が、貝殻やそのほかの生活ごみを長年同じ場所に捨て続けたことで、後世になって蓄積されて化石のようなかたちで存在する遺跡のことです。

日本だけでも約2,500か所で貝塚が発見されており、貝殻の炭酸カルシウムによって当時の石器や土器などが良質な状態で保存され、人々の生活様式や暮らしを研究するうえでも貴重な遺跡となります。

ここでは、あくまでも旧石器時代の単元のため詳しくは触れませんが、縄文時代の単元では「大森貝塚」とそれを発見したアメリカ人「モース」の名前は必ず覚えるようにしましょう

中学受験のポイント

✔岩宿遺跡からは打製石器(人が住んでいた証明)
✔野尻湖からはマンモスゾウなどの動物の化石

旧石器時代の人々の生活や暮らし

旧石器時代の生活・暮らし

旧石器時代は打製石器を道具として使っていましたが、まだ土器はありませんでした。このような時代のことを先土器時代、または無土器時代とも呼ばれていますが、この呼び方は中学受験では問われないので覚える必要はありません。

旧石器時代の人々の食べ物

旧石器時代の人々は、狩りや採集中心の生活をしていました。まだ土器もないため、食べ物や水などを容器として保存することもなく、その日食べるものだけを収穫して食べるという自給自足の生活です。

日本の旧石器時代では野山に生息している野ウサギやオオツノジカ、ナウマンゾウなどの野生動物を狩猟し、海や川では魚や貝、森林では自生する木の実(クリやドングリなど)やマメ、イモなどを採集して食べていました。

動物の化石の骨からは石器で切ったような跡が残っていることから、狩猟した動物の肉を解体して食べていたことがわかります。また、旧石器時代よりもはるか前に存在したペキン原人が火を使ったというこん跡が発見されているように、この頃には食事にも火が使われていたことが想像できます。

中学受験とはまったく関係ない話ですが、旧石器時代に食べられていたものだけを食べる食事法をパレオ・ダイエットといいます。肉や野菜、果物、ナッツ、種を中心とした炭水化物の少ない食事を心がけることで健康を保つというものです。

これは、私たちの直接の祖先にあたる旧石器時代の人類が、自然界に存在するありのままの食材で暮らしていたことにならって、品種改良や添加物といった科学の力に頼らない食事を取り入れることこそ人間の体に最も良いとする考えです。

まだ稲作文化が生まれていなかった旧石器時代では、お米や小麦などの穀物を安定して食べることができませんでした。その日暮らしを送る人々には「蓄える」「所有する」という概念もなかったのです。

ところが、この後に登場する弥生時代に稲作が全国に広がったことで「物を所有する」という概念が生まれ、やがてそれは人々の間に貧富の差をつくります。支配する者と支配される者という上下の関係が生まれていくのです。

旧石器時代の道具や石器

旧石器時代には土器がなく、打製石器を主に使っていたと先ほど紹介しましたが、当時の人類はそのほかにも様々な道具を作り、日々の暮らしのなかで使っていました。

たとえば、現代人の直接の祖先とされる現生人類クロマニョン人は、打製石器のほかに弓矢を用いていました。弓矢はしなりのある木や枝に、動物の強くてしなやかな腱(けん)を組み合わせて作られます。

また、骨角器とよばれる動物の骨や角、キバなどを材料として槍(やり)や銛(もり)、釣り針(つりばり)を作り、狩りだけでなく海や川での漁にも利用していたことが分かっています。

クロマニョン人は世界各地の洞窟にすぐれた絵をえがいた洞窟絵画でも有名なように、手先も器用で知能が高かったことが証明されています。現代人の直接の祖先とされる理由でもあります。

そして、新石器時代へ

今回は旧石器時代を中心にまとめていますが、この後には打製石器から進歩した磨製石器が登場し、時代は新石器時代へと移り変わっていきます。

明らかに使い道を意識した形に石器が変わっているように、人々は狩猟や採集中心の生活から農耕や牧畜を中心とする生活へ、そして土器や農耕具、倉庫なども登場して飛躍的に生活レベルが上がっていきます。

はじめは稲作という生活の一つの工夫が、

お米を作って収穫する→たくさん収穫できた者とそうでない者が生まれる→上下関係が生まれる→外敵から守るために倉庫や村が作られる→村どうしの争いが起こる

といったように、それまでの人々の生活にはなかった新たな価値観や概念が生まれ、近代文明への一歩を踏み出すこととなるのです。

旧石器時代は打製石器を使い、狩猟や採集中心の生活であったこと、そして新石器時代は磨製石器を使い、農耕や牧畜中心の生活であったことを対比させて覚えるようにしましょう。

中学受験のポイント

✔旧石器時代は打製石器と狩猟・採集中心の生活
(⇔新石器時代は磨製石器と農耕・牧畜中心の生活)

旧石器時代のまとめ

旧石器時代のまとめ

それでは最後に旧石器時代の単元の重点ポイントのまとめをしていきます。

旧石器時代のまとめとして、次の3つの項目をなにも見ずとも答えることができるか確認してみてください。

  1. 旧石器時代の年代
  2. 旧石器時代の遺跡
  3. 旧石器時代の石器と暮らし

答えられない場合は、もう一度それぞれの見出しに戻って読み返して要点を押さえましょう。中学受験の重要ポイントは次のようになります。

旧石器時代のポイント
  1. 旧石器時代の年代
    ・・・約1万年前ごろ(~さらに前)
  2. 旧石器時代の遺跡
    ・・・岩宿遺跡(打製石器の発見=人類の存在の証明)
    ・・・野尻湖(マンモスゾウの化石の発見=動物の存在の証明)
  3. 旧石器時代の石器と暮らし
    ・・・旧石器時代は打製石器と狩猟・採集中心の生活
    ・・・⇔新石器時代は磨製石器と農耕・牧畜中心の生活

旧石器時代の日本はまだ氷河期で大陸ともつながっていたことや、当時は土器がなく石を打ちかいて作られた打製石器で生活水準も低かったことなどもおさらいしておきましょう。

いずれにしても、人類、そして日本の祖先の暮らしはここから始まったばかりです。これから習う中学受験の歴史の単元すべてのスタートラインでもあるので、まずは原点がどのようなものだったのかを正確にとらえ、一つずつ現代へとつながる時代と文明の起こりを学習していきましょう。

中学受験の歴史「旧石器時代」の次の単元は「縄文時代」です。

ABOUT US

スタディアップ代表
群馬県生まれ、広島県育ち。愛光高校、慶應義塾大学商学部卒業。中学受験 社会科専門塾「スタディアップ」代表。集団授業の社会ライブ講義や、家庭学習で社会の成績を効率良くアップさせる講義CDなどの教材開発、通販を行い、年間2,000名以上の受験生と関わる。

主な著書に『中学受験は社会で合格が決まる』(講談社)、『中学受験“社会”合格への家庭内戦略 』(小学館) などがある。現在創業13年で、その実績はNHKなどのTVや、プレジデントFamilyなどの雑誌等でも多数紹介されている。