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中学受験の面接における志望理由・動機の正しい答え方

中学受験を目指しているお子様たちにとって、面接はどのように対策すれば良いのか悩む項目になります。各受験教科の筆記試験は勉強さえ万全にしておけば後は入試本番に実力を十分発揮すればよいことです。

それにひきかえ面接というのは、中学受験においてはどうしても位置付けが低くなりがちで、ご家庭によれば面接の前日に一夜漬けという方もおられます。これでは、いくら判定ウェイトが低いと言っても支障が出る場合もあります。

特に、合格者最低点から+0点~3点の幅にいる受験生は、中学校側としても、面接で比較せざるを得なくなりますので、志望校が合格ラインぎりぎりのお子様は、面接も大変重要になってきます。

また、せっかく希望して受験に臨んだのに、この面接で思っていることをはっきりと相手に伝えられなかった場合、お子様に後悔が残ってしまいます。11歳、12歳の子供にとってはトラウマにもなりかねないことになりますので、面接のある中学校の場合、面接を決して軽んじてはいけません。

中学受験の場合の面接には、概ね一人10分程度というのが一般的です。中には一人の子供に3分程度しかかけない学校もあります。この短い面接の間で存分な成果を上げるためには事前準備を必ず行っておくことが肝要です。

そこで、この記事内では、中学受験の面接で必ず聞かれる志望理由・志望動機について、ライバルとの差別化を計るために、どのように答えればよいか具体的な事例を挙げてご紹介します。さらに、言ってはいけないNG集や失敗例も分かりやすく解説していきます。

中学受験の面接で共通する質問

多くの私立中学では、建学の精神や学園グループの方針などにより個性豊かな受験を行うところがあります。しかし、中学受験における面接試験で、数多くの学校の面接官から出される質問には、共通した質問があります。

それが志望動機の質問です。「〇〇君(さん)はなぜこの学校を受験しましたか?」という志望動機を尋ねる内容が共通して出されます。志望動機があって初めて受験することになるので、当たり前と言えば当たり前の質問です。

しかし、この質問も事前に準備しておかなければ、中学受験の子供たちにとっては戸惑ってしまう質問になります。そこで、この至極当たり前の質問に関して何が大切で、どのような事前準備が必要になるのかについてご紹介したいと思います。

多くのご父兄様にとって、面接はお子様の自由な意見に任せるという方も確かにおられます。そうすることで、子供自主性を養うと考えられている向きがあります。しかし、事前に準備できるものは最大限準備しておくことこそが、今後に活かせる良い機会です。

事前準備を怠らないということは、教育的にも大切なこととなります。さらに、受験に挑むお子様たちが受験し入学することへの意義を明確に再確認してもらうことにも役立ちます。つまり、受験合格という入学の手段だけにフォーカスされがちな受験勉強ですが、その先にある大きな大目標を子供に感じてもらうことができる良い機会にもなります。

中学受験の面接で大切なこと

どのような面接試験でも同じですが、「簡潔性」「明瞭性」「論理性」が大切とされます。さらには、これらを元気な声で面接官に伝えるということが大切になります。では、それぞれの大切な要素についてその意味をご紹介しましょう。

①「簡潔性」

子供の場合、どうしても同じ意味内容を繰り返してしまう傾向が多いです。個人差はありますが、簡潔にまとめることを嫌がる子供がいます。

特にしゃべることの好きな子供の場合、どうしても話す文章が長くなり簡潔にまとめることを行わない時があります。事前に想定問答を組み立ておくことで、簡潔性を持つようにしておきましょう。ただし、あまりにも簡潔すぎるのも、好まれません。相手の目を見て、話が長くならないように、要点をまとめて簡潔に答える事ができるだけでも面接官に良い印象が与えられるでしょう。

できれば3つか4つ程度の短文で答えるようにすれば落ち着いた返答が出来ます。回答例では「私が〇〇学校を志望した理由は~です。」からはじめ、起承転結のある回答が好まれます。

②「明瞭性」

話し言葉の場合、どうしても活舌が気になるところです。お子様が面接官の質問に対して明瞭な言語で返答できるかという問題です。語尾が聞き取れないほど小さくなってしまったり、言い淀んでしまったり、吃音になってしまったりすることのないようにしたいものです。

落ち着いて明瞭な声でしゃべることが、好印象を与える大切なことになります。せっかく事前準備しても恥ずかしがったりしてしまい、思うように声が出せない子供もいます。事前準備では、声を出して練習することをお勧めします。読んで理解するだけでは声が出ない場合があるので注意してください。

③「論理性」

面接官によれば、やや変則的な志望動機を聞いてくることがあります。例えば「遠方からの通学ですが、なぜこの学校を受験しようと思いましたか?」等です。こうした場合、お子様としては、「遠方」という言葉に捉われるあまり、論理性を欠いた返答を行ってしまう可能性もあります。

ある程度のバリエーションのある質問も併せて練習しておくことでお子様が焦ったりすることが無いようにしておくことも大切です。

以上の3点は、ご父兄の方と一緒になって練習することをお勧めします。決して「試験」ではなく、お子様の思いをスマートにまとめてあげる助力をお願いします。

押しつけの回答では、どうしても本番の時に忘れたり、上にお示しした①~③を欠いた返答になってしまう恐れがあります。お子様の心からの思いを言葉にする共同作業を行ってください。

面接で志望動機を話す具体例

では、面接で志望動機を話す際の具体的な内容について、いくつか例示してみましょう。お子様に当てはまる内容を選択してみてください。また、当てはまっていても言いにくい内容であったり、面接での回答にはそぐわない内容であったりする場合がある場合は、最も話しやすいテーマに絞った方が良いでしょう。

① 受験校の「建学の精神、教育理念に共感しました」

私立の中学校では建学の精神ということを大切にしている学校が多く、それは教育理念や教育方針という形として全校生徒に行き渡らせていることが多いです。この精神や方針に共感して受験を行ったという姿勢が最も多く選択される志望動機になります。

男子校、女子校、共学校それぞれに深い思いの教育方針などが設定されています。「勤勉」「友情」「聡明」等はその代表的なものになります。こうしたモットーとも呼ぶべきものをよく理解した上で志望動機としてください。その場合、意味合いを理解しておかなければなりません。

例えば、建学の精神やモットーに「勤勉」という文字が設定されていたとしましょう。『私(僕)は、この学校の「勤勉」という精神に憧れて受験しました。』というような短文を作りました。面接官は短い面接時間でも、ふと「では、勤勉のどこが良いと思いますか?」という答えにくい質問を出してくることまで想定しておいた方が良いでしょう。

こうした意地悪な質問は多くは行われませんが、「勤勉」の意味ぐらいはお子様と共有しておきましょう。つまり、「この学校に入学して一生懸命に勉強できることに憧れています」というのが模範解答になります。「勤勉」とは「仕事や勉強などに、一生懸命に励むこと」という意味です。

したがって、難しい建学の精神や教育理念を掲げている学校の場合は、このテーマを避けるべきかもしれません。敢えて挑戦する価値はあるとは考えられますが、一度の短い面接試験では果たして十分その気持ちを伝えきれるかが難しいところです。

ちなみに、灘中学は「勢力善用」「自他共栄」、開成中学は「「開物成務」「ペンは剣よりも強し」「質実剛健」「自由」の4つが掲げられています。女子中御三家の中の桜蔭中学校は、「勤勉・温雅・聡明であれ」が有名です。

② 受験校の「教育制度や行事に興味がありました」

私立中学の場合、学校の特色として独自のカリキュラムを組んだ独特の教育制度を採用している学校があります。例えば「留学制度」などがあります。まだ幼さの残る子供たちを、安心して海外経験させる良い機会だと考えるご父兄の方がも多くおられます。

そのため、この制度に興味を持って受験されるご家庭も多く見られます。また、ミッションスクールに憧れを抱いて受験したという方もおられます。特にミッションスクールの場合、キリスト教を主体として自由な校風や外国語教育に熱心な学校が多いようです。

また中高一貫教育や大学までの中学校もあり、受験戦争に巻き込まれず中高大と伸び伸びと自由な教育を受けさせてあげたいというご父兄様の要望も多いようです。そうした独自の教育制度を志望理由にする場合も多く見受けられます。

しかし、この場合、十分にその制度内容を把握しておかなければ切り返しの回答に詰まってしまう場合があります。ちょっとしたポスターや学校ホームページで目にしただけの制度や行事の場合、その背景や主旨、実施概要などを把握しておくことをお勧めします。

③ 受験校の「学校説明会や文化祭の雰囲気が良いと感じました」

中学受験を控え、学校主催による説明会が実施されます。本命の受験校のみならず併願校も説明会にお子様を連れて参加するご父兄様が多くおられます。その時の印象や雰囲気、思ってもみなかった特色などを肌身に感じたことを志望動機にする場合も多いようです。

受験勉強一辺倒ですと、どうしてもその学校に対してのイメージが堅苦しいものになってしまいます。しかし、自由な雰囲気、学校全体が明るい等のイメージをこうした機会に得ることもあります。一方では、教育方針を熱心に語る先生方の熱意や、学校の実績などを目の当たりにすることで感動したりもします。

さらに、文化芸術活動に特色のある学校も多くあります。クラブ活動や文化部活動を通じてユニークな活動に力を入れ、学校の特色ともなっている場合があります。こうした雰囲気や特色ある活動に参加することを志望動機とすることも可能です。

④ 受験校の「在校生・卒業生の方の話を聞いて志望しました」

現在活躍中の在校生に憧れている場合や系列の高校、大学で活躍する選手や学生に興味を持って志望動機とする場合もあります。自分もあんな人になりたいとか、あの人の下で一緒に頑張ってみたい等の動機でも構いません。

おそらく、そうした在校生はその学校の誇りでもありますし、そういう学生を教育しているという自負心を改めて学校側に抱かせることでも好感が持たれるでしょう。

また、在校生や卒業生が身近に居てその人から直接その学校の良さを聞いたという動機もあります。例えば小学校で参加しているサークルに受験校の在校生がいて色々と学校の話を聞いてみて良い印象を持った等です。

さらには、尊敬する偉人や有名人を卒業生に持つ学校などでは、そうした方を引き合いに出してみるのも良いかもしれません。早稲田大学高等学院中学部や慶応大学中等部等のメジャーな学校になれば多くの偉人を輩出しているので見つけやすく話題にしやすくなります。しかし、これも他のテーマと同じく少し詳しく調べておかなければ、「〇〇氏のどういうところが良いと思いますか?」等の反対質問があることを想定しなければなりません。

⑤ 受験校に「代々入学・卒業している人が周囲にいるので志望しました。」

ご父兄やご兄弟、姉妹などが既に入学していたり、卒業生であったりする場合、これを志望動機とすることもできます。学校側では、校風や学習内容、指導方針などを既に身近に感じてもらっている家庭になり、比較的好印象を与える動機になります。

しかし、あまりにも遠い親戚や存在しか知らないような血縁者を引き合いに出すのは藪蛇になるかもしれません。その学生が、優秀な成績を収め品行方正であれば好印象を与えるでしょうが、そうでない場合は、逆効果になるケースもあります。そうしたことも念頭に置き、この志望動機は慎重に選択すべきだと思います。

中学受験の面接での志望理由 NG集/失敗例

中学受験における面接で、志望理由として事前に用意しておくテーマを上に5つ紹介しました。この他にも独自に考え付かれる場合もあるかもしれません。しかし、面接での志望理由でNGと想定されるものもあります。そこで、最後に面接で使ってはいけない志望動機についてご紹介したいと思います。

①「単に偏差値に見合うから志望した」

本音を言えば、お子様の学力偏差値に見合う学校を選択し、その受験校が合致しただけだという場合が往々にしてあります。しかし、その事実はあっても面接官の前でそれをあからさまに言うのは控えましょう。

学校側としても決して気持ちの良い回答とは受け取られません。実態として、偏差値などで合格圏内にある学校を丹念に調べた結果、諸条件が最も揃う学校を選択するということになっていることは事実です。

②「将来の進学への中間地点としてだけの位置づけから志望した」

単に、高校・大学への通過地点としてだけ考えていると言うことは避けましょう。堂々と、「〇〇高校に進学するためにこの中学を志望しました」だけでは不十分です。「そのため、この中学校で十二分に勉強するつもりです。」と、ここまで繋げて初めて面接官の心証がよくなります。単に、高校への踏み台としか考えていないと受け取られないようにしましょう。

③「単純に家から近いから志望しました」

志望動機でも不十分な動機として挙げられる項目になります。「単に家に近いのであれば、公立中学校もありますが・・・」と聞きたくなる志望動機です。家が近いことは通学の便や防犯の観点から良いことなのですが、それだけでは私立中学の受験面接の場合の志望動機として弱いように思えます。ただし、近くにあることで幼いころから在校生の姿を見て、自分もこの学校に入学したいと思うようになったというような志望動機であれば十分通用します。

④「行くところがないから仕方なく志望しました」

ハッキリ申し上げて絶対言ってはいけない志望動機です。父兄同伴の面接を行うところもあり、そんな時にご父兄が自嘲気味に「この学校以外に行ける学校がございませんので・・・」ということを言ってしまわれる場合があります。

いくら現実がそうであっても決っして口にすることはNGです。禁句と言っても良いでしょう。面接官もその学校の教職員です。少なからず自尊心や自負心があります。そうした方に向けて発する言葉ではないと思います。

ご父兄様にとっては、「ここで拾ってもらわなければ公立中学にしか行けない・・・」という切羽詰まった状態かもしれませんが、この言葉は避けてください。

以上、中学受験の面接で答える志望動機として答えてはいけない、あるいは避けるべき話題を具体的に4つお示ししました。さらに、これに加えてのNGは、「曖昧な答え」や「事実と異なる答え」があります。「曖昧な答え」は、「なんとなく志望しました。」や「気分がこの学校だったから」等のあやふやな回答はNGです。

また「嘘」は絶対NGです。「親戚が通っていました」「友達がいます」「仲間が受験しています」等ありそうな事実として嘘を言ってしまう場合があります。これは、面接をクリアしたとしても後々負担になったり、嘘つき呼ばわりされることになる可能性があるのでNGです。

⑤「面接官の目を見て話さないのはNG」

志望理由を話す時に限らず面接中はずっとこうしてほしいのですが、話すときは、必ず面接官の目を見て話すようにして下さい。下を向いていたり、伏し目がちだと、自信の無さの表れだけではなく、暗く見えますし、話の内容にも真実が見えてきませんので、話の内容が信用されにくくなりますし、面接としての評価は低くなってしまいます。

力を入れたい時や話を信用してもらいたいと思っている時は、必ず相手の目を見て、真剣に話すようにする事が大事になります。

まとめ

今回は中学受験で行われる面接時に共通して質問される「志望動機」に関して詳細を解説しました。面接に臨むにあたって、その学校について事前に情報を入手しておくことが大切です。

繰り返しになりますが、中学受験の面接では、明確に答える事も大切で、とにかく分かりやすさは重要になります。だらだらと喋るのとキッパリと話すのでは、随分と印象が変わってきます。いくら話の中身が良くても、長い話は飽きてきます。その事を意識して、中学受験の面接に挑んで下さい。

多くの受験生は、まとまりのない話をとにかく長く話してアピールする人が多いのですが、この方法ですとあまり良い印象を残せません。面接では話の内容も大事ですが、話の中身が相手にちゃんと伝わるようにまとめられているかも大事な要素と考えておきましょう。

当然ですが、これらの事は志望理由を話す時以外にも必要な事になります。ですが、特に相手に伝えたい所が志望理由や志望動機なので、ここに関しては、しっかりと事前に準備して、完璧に話せるようにしていおいて下さい。

またそれを口頭でスラスラ言えるように声に出して練習しておくことが大切です。面接に関しては、ご父兄様のご協力が必要不可欠な部分ですので、是非できる限りの協力してあげてくださいね。

ABOUT US

スタディアップ代表
群馬県生まれ、広島県育ち。愛光高校、慶應義塾大学商学部卒業。中学受験 社会科専門塾「スタディアップ」代表。集団授業の社会ライブ講義や、家庭学習で社会の成績を効率良くアップさせる講義CDなどの教材開発、通販を行い、年間2,000名以上の受験生と関わる。

主な著書に『中学受験は社会で合格が決まる』(講談社)、『中学受験“社会”合格への家庭内戦略 』(小学館) などがある。現在創業13年で、その実績はNHKなどのTVや、プレジデントFamilyなどの雑誌等でも多数紹介されている。