中学受験の過去問が合格最低点に届かない&全然できないときの分析法

中学受験では、国語・算数・理科・社会の計4教科の学力試験が行われます。そして、この学力試験の結果が合否を大きく左右するので、学力試験に向けた勉強はしっかりやっておかなければなりません。

中学受験の学力試験対策としては、受験する中学校の過去の入試問題である過去問に取り組むことが有効です。過去問に取り組むことで、その中学校の出題傾向や難易度など、入試問題の特徴を掴むことができ、本番に活かすことができるからです。

しかし、実際に過去問を解かせてみたところ、「合格最低点に届かない」「過去問が全然できない」という、親御さんが頭を悩ませてしまう事態が発生する場合も少なくありません。そこでこの記事では、そういった場合にどう考えたら良いかを紹介していきます。

目次

最初のうちは合格最低点に届かなくてもOK

合格最低点に届かない時、親御さんとしては「もっと危機感を持たせないとダメだ」「第一志望を変えたほうが良いのか」などと、いろいろ考えてしまうかもしれません。ですが、合格最低点に届かないからといって、諦める必要はありません。

なぜかというと、過去問に取り組む目的というのは、「合格点を取ること」ではなく、「受験する中学校の入試問題に慣れること」だからです。最初のほうでも記述させて頂いた通り、過去問からは、その中学校の出題傾向や難易度などの特徴を掴むことができます。

そして、その特徴を掴んだ上で過去問を解くことができるようになれば、本番でも落ち着いて入試問題に取り組むことができるはずです。また、過去問に取り組んでいるということは、まだ本番前の途中経過の段階です。そのため、合格最低点に届いていなくても、不思議ではありません。

中学受験本番までの残された時間で弱点を克服し、一生懸命勉強すれば、本番で合格点を取れる可能性は充分にあります。ですから、過去問で合格最低点に届かない時があっても良いのです。

最悪の場合は、志望校を変えなければならない可能性もありますが、それは合格最低点に全く届いていない場合です。過去問では合格最低点に40~50点程届かなくても、本番では合格点を取る子供も多いので、それほど心配は要りません。

中学受験の過去問ができない時の分析法

お子さんが中学受験をする予定の親御さんは、家事やお仕事など、自分のことをしつつ、できる限りのサポートを行って、共に中学受験に臨まなければならないので、毎日が大変だと思います。

このように、毎日が大変だと、親御さんも精神的に追い詰められているはずなので、もし万が一、「中学受験の過去問ができない」という状況に陥った時、ついつい子供を責めたくなる時もあるのではないかと思います。

「この間は解けたのに…」「苦労して覚えたのにもう忘れてる…」など、マイナスな言葉が飛び出しそうになりますが、過去問ができない時でも、子供を責めるような言葉をかけるのはご法度です。

なぜかというと、責められたことがきっかけで、勉強や受験自体に対するやる気や自信を失ってしまう可能性があるからです。子供は責められることを嫌うので、当然モチベーションは下がりますし、親子関係が悪化する恐れもあります。これでは、過去問で点数を上げるどころか、本番でも失敗する可能性が高まります。

大人の場合は、職場などで責められるようなことがあったとしても、「自分のため」と前向きに捉えて耐えることができるかもしれませんが、そのような捉え方は、小学生の子供では難しいはずです。中には、「悔しい」と思って気持ちを奮い立たせることができる子供もいますが、全ての子供ができるわけではないですし、あまりにも責められると、気持ちを奮い立たせることもできなくなります。

では、子供を責め過ぎないようにするためにはどうすべきかというと、まずは過去問の採点結果を冷静に分析することです。つまり、何となくできないのではなく、客観的にどのくらい出来ていないのかを分析する必要があります

過去問に初めてとりかかる場合に一番大切なことは、解くスピードではなく、志望校の過去問の難易度を実感することです。もちろん、最終的には、時間内に解き切るようにできなければいけませんが、それはもう少し先でも構いません。

ここでの採点結果によって、次のステップは枝分かれしてきます。

採点結果が、受験者平均点未満の場合

根幹部分である重要知識の土台がしっかりと出来ていません。この段階では、過去問を解くことよりも重要知識の暗記に時間をかけてみましょう。具体的には、一問一答形式の問題集などで、知識の土台を作りなおすほうが先決です。それまでは過去問に取りかかってはいけません。

採点結果が、受験者平均点以上の場合

この場合は、そこまで悲観することはありません。出来ない問題が多かったとしても、その中学の問題自体の難易度が高い場合もあります。その母集団の中で、真ん中よりも上にいるということですので、勝負の土俵には立っています。まずは、間違えた部分の間違い直しを必ず徹底しましょう。場合によってはキーワードレベルの間違い直しではなく、単元レベルでの復習も視野に入れておきましょう。

時間が足りなくて、解答欄が全然埋まっていない場合(逆に時間をかければそれなりに解ける)

時間をかければそれなりに解けるというのであれば、知識自体はそれなりにあるはずなのですが、試験時間内に解くスピードが出来上がっていないということです。社会の場合、国語や算数と違い、思考力を試すような記述問題を除けば、本来は考えたりする必要がない科目です。

つまり、覚えていればすぐに得点につながる科目ですので、解く時間が足りない場合は、覚えている知識をアウトプットする訓練が足りていないだけということです。これは過去問の中で、訓練することでどんどん伸ばしていくことが可能です。間違えた問題を見なおすとともに、まだ解いていない過去問にチャレンジしていきましょう。

最後になりますが、お子さんの過去問をみていて、あまりにも出来ていなくて責めたくなった時は、その気持ちを前向きな言葉に変換しましょう。例えば、「あと○点取れれば合格だ」「今日は本当によく頑張ったね」など、結果がともなった時だけ評価するのではなく、頑張った過程を評価してあげましょう。

過去問を解いている段階というのは、本番までの通過点に過ぎません。ですから、過去問ができないということがあっても、特に問題ではないので、一喜一憂せずに勉強していきましょう。

そもそも中学受験において過去問が重要な理由とは

今まで塾に通って行く中で、社会の成績が良いかどうかの判断基準として、「偏差値」という数値を日頃から意識していたと思います。もちろん、自分がどのくらい社会ができるのかを知る数値としては信用性の高い数字に違いありません。

偏差値については、常日頃、塾だったり、模試だったりとにかく成績=偏差値といってもいいくらい良く登場するキーワードです。そして、この中学は、偏差値58以上で合格可能圏80%といったような指標としても使われます。

ところが、いざ実際の入試結果をみると、偏差値が高く、合格可能性が極めて高かった子でも、不合格になってしまうことが多々あります。 例えば、小学6年生の4科平均偏差値58で合格80%という中学校があったとします。この中学校に、合格していく生徒の偏差値分布図をみていると、

63  ○○○
62  ○○×
61  ○○
60  ○××
59  ○○
58  ○×  合格80%ライン
57  ○○×
56  ××
55  ○×
54  ××

のような結果になっています。つまり、偏差値58であれば、80%以上の確率で合格といっても、蓋をあけてみると、偏差値62や60の生徒も落ちたりしているのです。 もちろん、偏差値を否定しているわけではないですし、受験する上で、かなり重要な指標だと思います。

しかし、上の結果をみて、偏差値62や60の生徒が落ちる理由、あるいは、偏差値55の生徒が合格する理由が分かりますか。それは、志望校対策の差なんです。つまり、過去問を使って、どれだけ正しい学習戦略を練ったかの差ということです。

もちろん、落ちた原因として、入試本番で大きなミスをした、緊張して思った力が発揮できなかった、体調不良だったなどももしかしたらあるのかもしれません。しかし、一番決定的な理由は、やはり志望校対策が足りていないのです。逆に、偏差値が足りていなくても、合格する生徒も中にはいます。

これは、志望校対策を十分すぎるくらい行っているからなのです。ここでおさらいですが、模試の偏差値というものはどの中学を受ける生徒でも、母集団をひとまとめにして同じ試験で、数値をつけるということです。もちろん、同じ試験で評価をつけるわけですから、出来、不出来の目安にはなります。 しかし、この模試偏差値が全てになってしまうと、6年生の後半からは、非常に危険なのです。

志望校に合格するためには、

【1】小学6年生秋までの公開模試偏差値で志望校への合格圏を目指す

【2】その一方で、過去問、弱点補強、志望校頻出単元の強化など志望校に向けた対策をしっかりとこなす

この2つともが、絶対に必要なのです。

【1】だけの場合・・・少し前の表で説明した偏差値62や60でも落ちるパターン

【2】だけの場合・・・ごく少数派ですが、偏差値55ですが、逆転合格するパターン となります。

よく小学6年生の直前期に、個別指導塾や家庭教師センターが、うちで過去問対策をすれば、1ヶ月で志望校に逆転合格できます!といった宣伝をしています。 しかし、偏差値が全く足りていないのに、志望校に合格できる生徒は、本当にごく少数の生徒です。 受験生の全人口からみれば、5%にも満たないはずです。基本的には、1、2ともにしっかりと学習していくことが大切なのです。

この2つともがしっかりとこなせた生徒は、やはり、非常に高い確率で第一志望校に合格しています。 ですから、まずは偏差値を上げることを目標にしていきながらも、6年生の9月以降には、偏差値を上げるということ以上に、志望校対策を念入りに行うということに意識を変えていきましょう。

ここまで話したとしても、過去問をする事に対して、必要があるのかどうかと疑問に思っている人がいるでしょう。何故、このような疑問が出るのかと言いますと、同じ問題は二度と出される事がないからと考えるのが普通だからです。

中学受験の過去問を必ず対策しておかないといけない理由として大きいのが、志望校のこれからの試験の出題傾向が予想できるようになるからです。ですから、試験対策として、これ以上のものはないと言って良いでしょう。

もちろん、全く同じ問題が出される事はありませんが、どの範囲からどんな風な問題が出されるかが読めますし、問題形式や特徴や雰囲気が分かります。それらを分析する事により、中学受験の対策や勉強を出来るようになります。また、似たような問題を受けますので、問題形式に慣れる事ができますから本番で知らない問題に出くわして、驚く事もなく、安心できるのです。

過去問をよくやっていると、どのジャンルから、どの範囲から出題されやすいと予想できますし、類似した問題もあり、かなり試験で有利になります。それに出題範囲が予想できるという事は、あまり出ないと予想される所を軽視した勉強法といった効率の良い勉強ができるでしょう。

一応、予想される範囲なので、絶対ではありませんから、全体的に勉強しておく必要はありますが、かなり余裕が持てるようになります。志望校の過去問を本番形式で解いて、採点してみて、自分の現状も把握できますので、中学受験の過去問はとても重要なのです。

また過去に出された本当の問題という事で、実力が分かるだけではなく、本番でも苦労しそうな所、ペース配分も身に染みて実感できます。それを踏まえた上での学習ができますので、絶対に過去問は必要と言えます。

大きな注意点しては、転換期になると出題傾向がガラッと変わる事がありますので、古過ぎる過去問は重視する必要はないでしょう。最近の傾向が変わってなければ、さかのぼっても5年ほど前のものから参考にするのがベストだと思います。(一部の記述問題がメインに出題される中学は除く)

結論としては、中学受験を受ける年に傾向が変わる場合もありえますが、全てが全て変わる訳ではありませんので、しっかり過去問を解くようにしましょう。

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