中学受験のプロ家庭教師の選び方・見分け方

中学受験のプロ家庭教師

中学受験をする際、塾に行けば必ず成績が上がる、志望校に合格すると思いがちです。しかし実際にはそんなにうまくいきません。塾では集団指導が行われるため、理解が追い付かないということもあります。苦手科目があれば、その科目だけは塾の内容についていけないということもあるものです。

塾から出される宿題もかなりの量がありますし、難しいものが多くあります。家で限られた時間の中ですべて消化するのはかなり無理があります。保護者がわからないところの解説をしても伝わらなかったり、仕事や家事が忙しくてなかなか見ることができなかったりして中途半端になることも少なくありません。そこで、少しでも効率的に勉強できて、なおかつ苦手やわからないものを消化していくために家庭教師を塾と併用する家庭もあります。

家庭教師を選ぶ際、気になるのがどのような家庭教師を選べばよいかということです。マンツーマンでの指導となるため、相性が悪かったり子どもが前向きに授業を受けられなかったりすると効果が感じられなくなってしまいます。そこで、今回は中学受験ではどのような家庭教師をつけると成果が出やすいのか、どういった家庭教師に気を付けたら良いのかを紹介します。

目次

中学受験をする上で良い家庭教師というのはどのような人?

ひとことで「良い家庭教師」といってもどのような人のことを指すのでしょうか。具体的な特徴を3つ紹介します。

子どもの状況を正確に把握し的確な指示ができる

過程教師の最大のメリットは個人に合わせた指導をしてもらえる点です。そのため、塾の教材や模試の中から出題頻度の高いものを選んで復習をしたり、宿題のわからないところの解説をしてくれたりする指導が理想的と言えます。しかし、中には家庭教師が独自の教材を持ってきて、さらに塾とは別に宿題を持ってくるようなこともあります。このようなことをされると取り組むものが増え、子どもたちは負担も多くなり逆効果です。

また、子どもの状態が正しく理解できないと取り組むべき課題や優先順位がきちんと理解できておらず効果がなかなか出ないケースもあります。塾の模試の結果や家庭教師の授業内で問題を解いている様子を見て、何が苦手・理解できていないことで成績が伸び悩んでいるのかということを正確に把握し、取り組むべき課題にすぐに対処できる見極める力を持っている家庭教師こそ成績を伸ばしてくれます。そこで、家庭教師との話をする際には、子どもの状況と必要な対処方法を明確にすることができるか、さらに手元にある教材を用いて効率的に進めることができるかどうかを見極めることが大切です。

子どもに寄り添うことができる

多くの家庭では家庭教師を利用すると思うのは勉強で悩みがあるからです。そのため、ただ優しいだけが良いわけではないですが、子どもの自己肯定感をしっかり高めてくれる家庭教師を選ぶようにしましょう。厳しく指導して成績を上げることもできますが、家庭教師を利用する状況にある子は、多くの場合自信を無くしかけています。わからないこともたくさんあるはずです。そこで、わからないことはしっかりと質問しやすく優しく答えてくれる人を探すのが望ましいです。

もちろん宿題をしなくても怒らない、授業中一緒になって遊んでいる、といった先生では意味がありません。優しければなんでもいいわけではないです。宿題をしていなかったり話を聞かなかったりすることには注意をしてくれなければ成績は上がりません。しかし、頭ごなしに「なんでできないの?」とか「こんな簡単なのもわからないの?」といったことを言わず、わからない・できない理由を考えどのように対処すればよいか指導し、できるように導いてくれる先生が理想の先生です。

実績よりも口コミ評価

「御三家合格実績多数」とか「第一志望合格率100%」といった表現を聞くと、すごく優秀な家庭教師のように思えます。もちろんこれらの実績は立派なものです。しかし子どもに合う家庭教師であるかどうかということの判断材料にはなりません。

たとえば、第一志望合格率が100%という結果について考えてみましょう。実績としてはとても素晴らしいものですし、わが子も指導してもらえば第一志望に合格できるのではないかと思えるものでもあります。しかし、初めから第一志望に合格する見込みのある生徒しか指導していなかったり、確実に合格できる学校に志望校を変更させていたりといった背景がある可能性もあるのです。そのため第一志望合格率100%という数値だけで先生の力量を判断するのは危険があります。

同様に家庭教師の学歴や年齢もあまり優先順位の高い項目とはいえません。確かに学歴が高いことや、年配で指導経験のあることは子どもを預ける際に安心材料と思えるものです。しかし学歴の高さと指導力の高さは比例しません。学歴の高い人の中には、努力をして成績を伸ばして志望校に合格したという人もいますが、中にはもともとの地頭が賢く優秀であるために高学歴という人もいます。そのためもともと賢かった人は勉強ができない子の質問を受けても「なぜその問題がわからないのか」という気持ちもわからないし、どうやって解説したらよいかもわからないのです。

また、年齢についても若い人だから経験が少なく任せられない、とは言い切ることはできません。若いことによるメリットもいくつかあります。まずは、子どもが心を開きやすい、質問しやすいということがいえます。他にも、自身が中学受験をはじめとした受験をしてからの年数が経っていないことで気持ちがわかり共感できるということもいえます。最新の情報を知っていますし、経験が少ない分をカバーするために熱心に授業をしたり予習をしてくれたりする先生も多いです。

とはいえ、家庭教師を選ぶにあたって、指導実績や学歴など、なにも判断の指標となる情報がないのは不安です。そこで何か参考にしたいと考えたら、実績よりは実際に体験した人たちの口コミを参考にするようにしましょう。特に知り合いに家庭教師を利用した人がいるようなら、どのような先生なのか、どういった指導が受けられたのか、実際の成果はどうだったのかということを細かく確認すると、子どもとの相性の良し悪しや期待しているような指導の判断がしやすいです。

中学受験の家庭教師は個人と会社(業者)のどちらが良いのか

家庭教師を利用するにあたって多くの人が悩むのが、個人で活動している人が良いのか、それとも家庭教師業者を通して利用するのとどちらが良いのかということです。どちらにもメリットとデメリットがあります。両者を比較して会っている方を選ぶようにしましょう。

個人で活動している家庭教師の特徴

個人で活動している家庭教師の最大のメリットは仲介会社を通さないことで費用が抑えられることです。相場の価格に比べて1割ほど、教師によっては半額程度で指導していることもあります。個人での活動であること、リーズナブルであることから指導をお願いしても大丈夫か不安に感じますが、中には大手の学習塾で指導経験後に独立した人や、長年フリーの家庭教師で生計を立てているという人もいます。個人で活動できているということは、指導を受けた人たちの満足度も高く、継続的に生徒がいる状態が維持できていると考えることができます。そのため、きちんとした人を選ぶことができれば個人で活動している人でも十分に結果を得られることが多いです。

デメリットとしては、経歴や実績の詐称トラブルがある点です。個人で活動していることもあり、学歴や指導歴、実績を証明することが難しいですし、勝手に作ることもできます。そのため、経歴や指導歴で気になる点がある場合には、何か証明書類を見せてもらえるよう依頼をするのが望ましいです。

業者に所属している家庭教師の場合

家庭教師の派遣会社など、業者に所属している家庭教師の最大のメリットは安心感です。面接や試験を経て雇われているので信頼感があります。また、学歴や経歴の詐称をすることが難しく、広告やホームページに書かれている実績については信じられるものが多いです。研修や模擬授業といったものが事前に行われることがほとんどなので、新人の先生に当たったとしてもある程度の授業品質は保証されます。

もう一つ家庭教師の派遣会社を利用するメリットは条件に合う人を見つけやすいということです。塾に通いながら並行して家庭教師の授業を入れるとなると、スケジュール的に授業ができる日が限られてしまいます。個人の場合には他の生徒との兼ね合いで授業を入れられないことも少なくありません。それに対し、家庭教師の派遣会社ならたくさんの家庭教師が在籍しているのでスケジューリングがしやすいです。

また、担当の交代をお願いするのもしやすいというメリットもあります。自宅に来てくれている先生本人に「成績が上がらないからやめたい」とか「子どもから授業内容がわからないと言われているから担当を交代してほしい」といったことは言いにくいです。しかし、家庭教師が会社に所属している場合には、本部に言うことができるので先生に直接伝える必要がありません。さらに、女性の先生がいいとか、この曜日しか指導が受けられないとかといった細かな希望があったとしても担当交代ができる可能性も高いです。

では、このようにメリットが多くある派遣会社の家庭教師のデメリットはなんでしょう。それは費用とシステムの点です。家庭教師個人と契約をするのではなく、会社と契約をするため個人の家庭教師よりはかなり割高になります。家庭教師の派遣会社によってシステムも様々で、中には授業料以外にもシステム使用料や教材費、交通費などの費用が発生することもあるので契約前の確認が必要です。担当を変更したいと思っても翌月まで変更ができなかったり、担当変更の際に費用がかかったりするところもあります。

こういう家庭教師・派遣会社は避けよう

家庭教師を利用するとなれば費用も掛かりますし、早く成果が出てほしいと思うのは当然です。きちんと結果を出すためにはどのようなところを見ておくとよいのでしょうか。こういう家庭教師や派遣会社はあまり結果が期待できないので避けましょう。

体験授業がない

家庭教師の指導がどのようなものなのか、相性が良いかどうか、といったことは実際の指導を見ないと判断ができません。そこで、家庭教師を利用する前には必ず体験を行うようにしましょう。家庭教師によって体験を無料で実施してくれるところ、体験料金で受けられるところ、有料のところと料金も様々です。さらに、体験の回数も、1回なら無料で受けられるところ、1ヶ月体験料金が適用されるところ、とシステムも異なります。事前に料金やシステムを確認したうえで利用するようにしましょう。

中には体験が一切設けられておらず、契約しない限り授業を受けることができないというところもあります。個人でも派遣会社でも、そのような家庭教師は避けたほうが無難でしょう。家庭教師にとって授業は商品です。その商品を事前に見せて授業を受けるかどうか決めさせないというのは授業の品質に自信がないと考えることができます。逆に、体験を実施していて、なおかつ授業の様子を見せてくれるようなところなら安心して任せることができます。

営業が多い

家庭教師の派遣会社によっては、一度問い合わせをしたら契約を決めるまで何度も営業の連絡が入るというところもあります。こういったところは経営状況があまりよくなかったり、授業よりも営業に注力していたりするところが多いです。さらに契約後は一切連絡がなくなり、放置されることも少なくありません。

営業連絡を入れるためには人件費もかかりますし、電話料金も発生します。授業品質を高めることよりも営業にコストをかけているようでは、経営状況も良いとは考えにくいです。多くの生徒が利用するものの長く続けず、安定的な売り上げがないと考えられるので避けたほうがよいでしょう。

中には、体験をしたときの先生の印象が良かったことで「営業は多いけれども習っても良いかも」と思うケースもあります。たしかに、指導をするのは家庭教師として自宅に来る先生であり、営業をしてくる本部は授業にはかかわってきません。そのため別のものとして考えることができますが、営業が多いところは内部環境が整っていなかったり先生にもノルマを課していたりするところもあり、運営体制が健全と言えないところも多いです。そのため、良い先生と出会えても指導の途中で派遣会社を去ってしまうこともあります。こういった面からも営業が多いところは避けたほうがよいといえます。

システムがわかりにくい

習い事をする際にはどんなものでもルールや規約があります。しかし、中には細かすぎて把握しきれないようなことまで決められているところもあります。ルールがあること自体は問題ありません。しかしその内容が納得できるものであるかどうか、契約前にしっかりと確認することが大切です。

例えば、授業を受けるにあたって体調不良時の振り替えができるかどうか、塾や他習い事が忙しくて夏休みなどの長期休暇で休むことができるかどうか、辞めたいと思ったときにはいつまでに手続きが必要なのかといったことはきちんと説明がされていて、なおかつ理解できる内容であるか確認するようにしましょう。契約書類を見ても理解ができない、条件が細かすぎて希望通りの手続きがとれない、といったことになるとトラブルの元です。

授業料以外の費用がかかる

家庭教師はマンツーマン指導であること、自宅まで先生が来てくれることから塾に比べると授業料が高めに設定されているところが多いです。そのため授業料が安いと魅力的に感じますが、授業料以外に費用がかからないのかよく確認するようにしましょう。

授業料が一般的な家庭教師の相場と同等の場合も、他に交通費や教材費、システム使用料、入会金など様々な費用が発生するケースもあります。もちろん効果が出る家庭教師であれば授業料が高くなるのは致し方ありません。しかし、授業料以外も費用があまりにも掛かる場合には、授業以外の部分で利益を出そうとしていると考えられ、授業の質が低い可能性があります。

まとめ

今回は中学受験における家庭教師の選び方、ならびに気を付けた方が良い家庭教師について紹介をしました。家庭教師には、個人で活動している人と派遣会社に登録している人がいますが、どちらでも優秀な家庭教師はいます。大切なのは、一度体験授業を受けて子どもと合っているか、指導がわかりやすいかといったことを確認することです。

また、中学受験までの限られた時間をできるだけ有効に活用するためにも、体験授業を受ける前の問い合わせの段階で避けたほうがよさそうな家庭教師かどうかは確認するようにしましょう。体験授業がなかったり、営業が多かったり、授業料以外の費用をいろいろと請求されたりするところは避けたほうが無難です。周囲の口コミなどを参考にして、子どもたちのサポートをしてくれる優秀な家庭教師を見つけるようにしましょう。

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