中学受験対策に個人契約の家庭教師ってどう?プロ家庭教師の詳細や家庭教師センターとの違い

【中学受験】個人契約の家庭教師

中学受験の学習内容は、通常の小学校で習う学習と違ってとても難しいです。特に算数は数学と違い、方程式を使わず図や表を活用して解く問題も存在します。子どもから質問されても「解き方がわからない」と言ってしまう保護者も少なくありません。また最近では公立一貫校を中心に、総合的な問題も多く出題され、質問されても答えはわかるけれどもうまく説明できないという問題も多いです。

このように、中学受験の指導にはテクニックやノウハウが必要となるため、多くの受験生が塾に入塾して学習を進めています。とはいえ、塾に通ったからといってすべての問題が解けるようになるわけではありません。集団授業の内容でついていけない、理解ができないものがあるということは多くの子が経験することです。ついていけていないものや理解できていないものがままでは成績は上がりません。そのため家庭教師を利用して、勉強の進捗管理をするという家庭もあります。

家庭教師であれば、自宅に先生が来てくれるので通塾の手間もかからず、忙しい受験生と保護者にとっては、授業を受ける日が増えることでの負担も軽減できます。そのため、利用しているという家庭も多いですが、家庭教師はマンツーマン指導になるため、塾以上に相性が大切です。そこで、家庭教師を選ぶ際にはしっかりと吟味して納得できる先生を選ぶことが必要になります。家庭教師を選ぶ際に多くの人が悩むのが、個人契約と家庭教師会社の先生はどちらが良いかということです。ここでは、個人契約の家庭教師と家庭教師会社の先生の違いについて紹介をしていきます。ぜひ、この内容を参考にして理想の家庭教師を見つけてみてください。

目次

中学受験で個人契約の家庭教師とは

家庭教師会社はテレビのコマーシャルも多く放送されていますし、ホームページもあります。そのため情報収集もしやすいです。それに対して個人契約の家庭教師というのは、どこに問い合わせをして、どのように指導を受ければよいのかといった情報がほとんどありません。個人契約の家庭教師というのがどのような人たちのことなのでしょう。

個人契約の家庭教師というのは、派遣会社などを介さずに直接に個人と家庭教師契約を結んで指導を受ける先生のことを指します。塾の先生が独立して個人で家庭教師をしていたり、定年退職した先生が数名の生徒を抱えて指導をしていたり、と先生の背景や経歴は様々です。

個人で家庭教師をしている、というのは塾を開業するほどの力量はないからと思われることも少なくありません。しかし、家庭教師をしている人の中には多くの生徒を抱えていて、人気で常に定員いっぱいという人もいます。きちんと個人事業主として運営している人もいれば、開業せず運営しているところもあるので、指導を受けるにあたっては事前に運営体制などの確認もしておくほうがよいでしょう。

中学受験対策で個人の家庭教師の探し方

中学受験対策で個人契約の家庭教師はどのように探せばよいのでしょうか。一般的に2パターンがあります。

知り合いに紹介してもらう

まずは、すでに家庭教師の指導を受けている人、学校や塾で先生をしていた人など、周りに家庭教師の知り合いがいそうな人に聞く方法です。近くに住んでいる人なら依頼をしても交通費が発生しないケースも多いですし、移動時間が短いことで依頼も受けてもらいやすくなります。

この方法をとる最も大きなメリットは知人の紹介であるということです。知り合いに家庭教師を紹介する際、顔の見える付き合いであるため、多くの人は安心して任せられる人を紹介します。すでに指導を受けていて成果が出ていたり、過去に塾で指導をしていた経験があったり、といった裏付けがあるうえで紹介してもらえるため、実際に体験をした際の満足度も高いです。

インターネットの専用サイトを利用する

インターネットで検索をすると、個人で家庭教師をしている人たちが登録しているサイトがいくつか見つけられます。そういった紹介サイトに掲載されている家庭教師を確認し、希望に合った人がいれば連絡を入れて体験などを進めることによって先生を見つけることが可能です。

サイトによっては紹介料を取られることもありますが、家庭教師会社の家庭教師よりは相場も低めになっています。サイトによって情報の信頼性も幅があるので、利用規約を確認したり、サイトの口コミなども確認したりしておくほうが安心してサイトも利用することができるでしょう。

その他

個人の家庭教師探しの大きな方法としては2つですが、それ以外にもいくつか探す方法があります。

まずは近くに大学がある場合、大学に足を運んでみることです。大学によっては、学生に対して家庭教師のあっせんをしているケースがあります。家庭教師をしたい学生のリストを用意しており、その中から気になる人に連絡をしたり、大学に申し込みをしたら掲示板に家庭教師の求人が貼られたり、ケースは学校によって様々です。教育系の学部のある大学は、学生のうちに子どもの指導に携わってみたいと考える学生も多く、意外とスムーズに決まることもあります。

もう一つは、町の張り紙です。昔ながらの方法ではあるものの、未だに家庭教師の人が作成して貼っているものがある地域もあります。もちろん、どんな人かわからない不安があるので、事前の電話でのやり取りなどでどんな人か良く確認することが大切です。

中学受験のプロ家庭教師と個人契約したい場合

こちらは、上記で述べた中学受験対策で個人の家庭教師の探し方と全く同じです。プロ家庭教師かどうかはあくまでも個人契約の場合は、家庭教師の先生自身がそう名乗るかどうかでしかありません。

家庭教師センターなどが間に入る場合は、家庭教師の指導歴、合格実績などをみてある程度は客観的にプロ家庭教師かどうか判断してくれますが、個人契約の場合は、その相手がプロ家庭教師かどうか先生自身が自分で名乗るかどうかになります。

一般的にプロ家庭教師とは、指導ノウハウが充実していて、指導キャリアを積んだ家庭教師を指します。また、プロ家庭教師の場合、家庭教師一本で働いている先生が多いです。

また、過去の指導ノウハウを豊富に持っているため、お子様専用の個別学習計画や志望校の過去問対策をしっかり練ってくれるだけでなく、そこからさらに志望校選びの相談や、受験全般的なアドバイスもしてくれる先生がプロとも言われています。

個人契約の家庭教師のメリットとデメリット

どんなものにもメリットとデメリットがあります。個人契約の家庭教師を利用する際、どんなメリットとデメリットがあるのか事前に確認をしておきましょう。そうすることで、トラブルを未然に防ぐこともできます。

メリット

個人契約の家庭教師最大のメリットは費用が抑えられるところです。間に会社が入らないため、手数料や入会金などがかからないのが一般的となっています。授業料またはそれプラス交通費のみで足りる場合も多いので、良い先生を探せればとても費用効果は良いです。

また、家庭教師との学習内容も自由に決めることができるので、融通が効きます。「普段の算数だけじゃなく理科のわからないところも質問したい」「来週はテスト前だから1日多く来てほしい」など、家庭教師と保護者で取り決めも可能です。

デメリット

揉め事が起きた時や、家庭教師に不満が出た時など、間に入ってくれる人がいません。そのため、当事者同士で解決しなければならないです。家庭教師を利用していると「思った以上に成績が上がらない」「家庭教師の学力に不満がある」など様々なネガティブな状況も起こる可能性があります。こういったトラブルの対応が面倒な方は、個人契約は避けた方が良いでしょう。

また、受験の情報に関しては、個人の先生では知識の差が大きいです。大手の学習塾に所属していないことで情報の遅れがあるという場合もあります。特に中学受験は情報が勝負なところもあるため、自分で情報収集が必要になることは理解しておきましょう。

家庭教師センター・家庭教師紹介会社を利用するメリットとデメリット

参考として、家庭教師センターや家庭教師紹介会社を利用するメリットとデメリットも紹介します。両方を知ることでどちらが子どもに、家庭の方針に、合っているかを判断するようにしましょう。

メリット

家庭教師が研修や課題を受けて登録するため、ある程度の質は保たれています。また、「先生が合わない」「思った指導とは異なる」「遅刻が多い」そういった事が起きた場合は、他の先生に変更も可能です。複数の先生が在籍していることで、こういったトラブル時にもすぐに対応してもらうことができます。

先生の指導力が低いとか、相性が悪いなど、他の先生に変わってほしいという場面では、直接先生に言いにくいことも本部への連絡でよいので話をしやすいです。多くの先生が在籍していることで、中学受験の指導経験のある先生、受験内容の指導に十分対応できる教務力のある先生、算数の教えられる女の先生、といった家庭教師へのオーダーでよくある希望にも答えてもらえる可能性も高いです。

デメリット

間に管理会社が介入することにより、授業料のほかにも、仲介手数料や入会金、交通費、維持費など、様々な費用が発生します。指導歴が長かったり、顕著な合格実績を持っていたりする「プロ家庭教師」に依頼をするとなると、さらに費用が高く設定されることもあるので、気を付けましょう。

また、家庭教師会社によっては指定の教材を使用しなければならなかったり、教材の購入が必要だったりするケースもあります。塾の授業のフォローを受けたいと思っていたのに、塾の教材以外での指導を受けなければならなくなったり、必要のない教材を購入したりしなければならなくなることもあるので気を付けましょう。

家庭教師を選ぶ際に確認すべき大切なこと

どのような形で家庭教師を選ぶとしても、先生を決めるにあたり確認しておくべきことがいくつかあります。

料金やシステム

家庭教師会社ならある程度のシステムができていて、料金などの支払いも仕組化されていてわかりやすくなっています。また指導ノウハウもあるため、指導内容の質はある程度確保されていて安心感は高いです。

それに対して個人の場合にはその人の裁量で決まるので、事前のルール確認が大切になってきます。「体調不良でお休みしたりする際、振替ができるのかどうか」「授業の回数は毎月固定で受けられない日の分は調整が必要なのか」「長期休暇には授業受講が必須なのか」など細かいところまで確認しておきましょう。

授業料以外の費用の有無の確認も大切です。家庭教師だと交通費として一律の料金が授業料と別にかかるケースもあります。教材もこちらが指定できる場合と、先生から決められた教材の購入をしなければならないケースもあるので、事前に使いたい教材、習いたいこととそれを受けることが可能であるかは確認しておきましょう。

子どもの希望

家庭教師はマンツーマンだからこそ相性が大切です。わかりやすい指導をしてもらえる、質問がしやすい、子どもが「この人に習いたい」と思えるかどうかというのは成績に大きく影響します。先生と話をしただけではこういったものはすべてを確認することはできません。そこで、体験授業や契約前の面談といった複数の場面で先生とやり取りすることが大変有効です。

保護者が良いと思った先生でも子どもには合わない場合もあります。例えば、家庭教師の学力が高い=指導力が高いとは限りません。子どもにとっては「先生の言ってることがわからない」と感じることもあるのです。性別も子どもによっては同性の先生が良いと思うこともあります。もちろん、子どもの要求すべてに応える必要はありません。しかし、子どもがやる気を出して取り組めるよう、ある程度の希望は聞いておくことが大切です。

中学受験の経験、指導経験

家庭教師をしている人たちも全員が中学受験をしているわけではありません。もちろん、中学受験をしていなくても、自身で勉強して中学受験の授業内容を理解して指導できるようになっている人もいます。住んでいる場所と異なる地域での中学受験の場合には、学校情報や受験で必要となる勉強内容が異なることもあるため、中学受験の経験をしていれば一律に安心、とも言いきれません。指導歴や本人の中学受験の経験については、どこの地域でどのくらい経験をしたのかという細かいところまで確認しておくほうが安心です。

同じ地域で受験を経験していても、いつの時代かということも大きく影響します。例えば、一昔前の関西だと3科目受験でよい学校も多かったです。そこで、受験指導をお願いする際、希望している指導内容を受けることができるかどうかを判断するためにも、受験の経験や受験生の指導経験は確認しておくほうが良いでしょう。

まとめ

今回は家庭教師でも個人の家庭教師について紹介をしました。個人の家庭教師の最大のメリットは、家庭教師紹介会社から派遣される家庭教師に比べ大幅にコストを抑えられる点です。しかし、個人での運営をしているため、指導を受ける前に契約について細かい内容の確認が必要となります。また、指導が理解できないとか相性が悪いとか、指導を辞めたいと思ったときに直接先生に伝えなければならない点もデメリットとして理解をしておきましょう。

家庭教師はマンツーマンでの指導であるため、先生が子どもへ与える影響はとても大きいです。先生との距離の近さから、授業の質問をするだけでなく、人生の先輩として、憧れの的にもなることもあります。大切なことは、個人契約にするか家庭教師会社に依頼をするか、ということよりも、子どもにとってどういった先生から指導を受けることが一番望ましいかを考えることです。その判断基準となるものを、保護者は子どもとともに話し合ったうえで先生探しや体験授業をセッティングするようにしましょう。

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