中学受験 願書の自己紹介欄の書き方(長所と短所の例文あり)

中学受験においては色々な悩みや問題があります。その中でも必ず乗り越えなければならない壁が「願書」です。どの中学校でも全て「受験願書」「入学願書」が必要です。

中学受験の願書には、「自己紹介」を記入する欄があります。自己紹介といっても、出身校や名前などはすでに記入してあるので、実質的には自己紹介というよりも、「自己PR」を記入する欄になります。自己紹介欄には、お子さんの性格や趣味、学校外活動の様子などを記入していくことになります。

そこで、今回はこの入学願書に関する記載方法のうち「自己紹介欄」についてご紹介したいと思います。願書の書式は学校ごとに異なりそのフォーマットも異なります。市販の履歴書のように画一的な規格はありません。

そのため、この自己紹介欄のない学校もあります。しかし、多くこの欄を設けることで受験生の人なりを見る場合があります。その場合、一体どのような内容を書けば良いのかと悩まれる受験生やご父兄方が非常に多くおられます。

自己紹介欄には、受験生個人の長所と短所を織り交ぜて、学校の方々に上手く理解していただけるように書かなければなりません。しかし、一方では中学受験の願書で合否が左右されることありません。つまり、採点対象とはなっていないのです。

そこで、今回は中学受験の願書における自己紹介欄の書き方について例文を交えてお子様の長所、短所を上手く書けるようご紹介します。また、面接試験のあるような中学校では、この願書を基に面接される場合が多いようです。

目次

自己紹介欄は親が書く?子供が書く?

多くの中学校受験の願書では、お子様が書くように出来ている場合が多いようです。ただし、ご父兄の方々に対して、客観的な立場からお子様を紹介させるように記載を求めている学校もあります。

ここでのテーマはあくまでも、お子様が中学受験のために書く願書での自己紹介文の書き方ですので、お子様ご自身が書く場合を想定しています。ご父兄が書く場合には、別の視点も必要となりますので、その点ご注意ください。

学校は自己紹介欄で何を見る?

自己紹介欄を願書に設けている中学校では、どのように活用しているのかご父兄様にとっては気になるところです。冒頭にこの自己紹介欄を含めた願書が受験の合否には関係がないと書きました。

つまり、願書における自己紹介欄は、書かれた内容によって特色ある受験生をピックアップするために書いてもらうようにしている学校が多いようです。

例えば、小学校の時に全国規模の大会で優秀な成績を収めた場合などです。そのため、願書の自己紹介欄にはこうした内容をはっきり書いておくことが大切です。

中学受験の場合、特定の中学校に対して同レベルの学力を持った受験生が集まってきます。受験と名の付くテストでは多くの場合、学力差が大きくはならない場合が多くあります。そのため、同点者が続出すると言った受験結果にもなる場合が多くあります。

そのような時に、学校側として自校にとって是非迎い入れたいお子様をどこで選ぶかと言えば、この願書の自己紹介欄に書かれた内容等で左右される場合があります。

あくまでも、「場合がある」という程度ですので絶対必要条件ではありません。したがって、この自己紹介欄は、事前にご家庭でお子様と一緒になって考え余裕をもって何を書くかを決めておかれれば問題はありません。

自己紹介欄には何を書く?

いきなり自分の自己紹介をしてくださいと言われても中々難しい問題です。大人の場合でも同じです。ましてや小学校を卒業しようとする小学六年生の子供たちにとっては難問です。

多くの一般の受験生にとって、先ほど例に挙げたような校外活動での特殊な成績が無いのが普通です。そのため、最もオーソドックスな自己紹介欄の書き方は、自分の長所や短所を書き、その各々について今後どうしたいのかを書くことです。

そのためにはいくつかのステップを経る必要があります。

以下、その説明を行います。それぞれのご家庭でそれなりの方法があると言われる方もおられますので、その場合にはそれに従っていただいて結構です。あくまでも参考までにしてください。

自己紹介欄を書くためのステップ1

受験生のお子様にとって、何が得意なのか不得意なのかを考えさせることから始めてはどうでしょうか。得意とする科目やスポーツ、趣味など何でも大丈夫です。

また、逆に不得意とするものは何かを順番に紙に書きます。箇条書きにしても良いでしょう。いきなり尋ねてみても中々答えられないお子様が多いのが実情です。ご父兄方が焦ってはだめです。逆にこの場合には、ご父兄様が手助けしてあげなければならないシーンなのです。

例えば、「得意ななことは何?」の質問に「・・・」となってしうお子様が多く、攻めているような口調になってしまうものです。

優しい口調で、「得意な科目は何?」という質問や「好きな科目は何?」などという簡単でピンポイントな質問がお子様には答えやすくなります。この時には、事前にあくまでも自己紹介欄を上手く書くための資料となることを十分お子様にお伝えください。

お子様によれば、自分が責められているとか、何か怒られているのではないかと勘違いしてしまう場合もあるので注意しましょう。

特に得意な科目やスポーツ、趣味などが無いような場合があります。そのような場合、「友達が多い」、「親孝行である」、「先生を喜ばせることができる」とかの一見子供ならではの特性のように感じる項目でも構いません。決して特筆すべきことが無いことが悪いことではありません。

自己紹介欄を書くためのステップ2

次に、書き並べられた得意なことや不得意なことについて、何故かということ掘り下げてみます。こうすることで、お子様が「自分はこういう理由で〇〇が得意なんだ」とか「こういうことで〇〇が不得意なんだ」ということを理解させることが出来ます。

いわゆる長所と短所の洗い出しということを行うわけです。

例えば、算数が得意というお子様の場合、算数をゲームやクイズのように感じる子供、単に数字を扱うのが好きな子供、低学年の時にできた問題を褒められたことから好きになり得意になった子供などなど多種多様です。

また、逆に算数が不得意な子供の場合、単純な四則計算はできるけど、それが複雑になれば分からなくなり、投げ出してしまって嫌いになってしまったという子供たちが多くいます。このように、得意、不得意、好き、嫌いの理由を掘り下げて明確にします。

この時、ご父兄としては「だからあなたは・・・」とか「どうしてそうなの!?」と言った内容で応答してしまうことがありますが、これはお子様の今の状態を探すための話なので、決して叱ったり、お説教したりしないでください。

自己紹介欄を書くためのステップ3

こうして、お子様の特性が原因とともに明らかになってきました。それらを受験の自己紹介欄に反映させる方法を練ります。この時は、大人であるご父兄のご協力も欠かせない戦力になります。

つまり、得意を伸ばし、不得意を得意に変えるようにする文言を作成するのです。また、好きなものをより追求し、嫌いなものを好きになるという姿勢も書ける内容になります。

具体的な自己紹介の例をケース別に分けて次に紹介したいと思います。

(ケース1)得意なものを伸ばし、不得意なものを補う姿勢を書く

「僕(私)は、算数が得意です。小学校でもよく出来ると言われて先生に褒められたりします。でも国語はあまり得意ではありません。算数の場合は、はっきりした答えが出るので好きですが、国語は答えがいくつもあって、あまり好きではありません。僕(私)が中学生になったら、算数が数学になるのでもっと勉強して難しい問題を解きたいです。国語の場合は、なぜ色々な答えがあるのかを考えてみたいと思います。・・・・」

このケースでは、学校側として対象の子供の勉強に対する姿勢が読み取れます。やる気と努力が期待できると読み取れる文章になります。

(ケース2)お子様特有の性格を書く

「僕(私)には、多くの友達がいます。小学校ではクラスを超えて学年を超えて多くの友達と一緒に遊んだり運動したりしています。同級生の友達とは勉強も一緒にしたりします。中学校に進学しても、多くの友達を作りたいと思います。・・・」

このケースでは、コミュニケーション力を評価できる内容になります。学校生活は、集団生活なので同じ生徒との交わりを良好に保てることは評価に値することになります。学校側としては安心感のある生徒という印象を与える自己紹介文になります。

(ケース3)特殊な成績を持つことを書く

「僕(私)は、小学校の高学年になってから〇〇を始めました。毎日練習を行って、六年生の時には、地区大会で優勝しました。今後もこの経験を活かして色々なことにチャレンジしたいと思います。・・・・」

このケースが最も書きやすい自己紹介文です。ただし、どのように努力してどのような成績を収めたのかを明確に書いておくことをお勧めします。読むほうも興味が出る内容であれば成功です。

自己紹介欄を書く時の注意事項

自己紹介欄には、上でお示ししたような内容を盛り込み書くことになりますが、与えられた記述スペースも考慮しなければなりません。

そのため、思う存分書くことができない場合もあるので注意したいものです。そこで、自己紹介欄の記載に関してだけではなく、関連する注意事項を以下にまとめてみたいと思います。

1.手書きの場合

多くの場合、願書は手書きになります。今やネット応募などでWeb上から応募できる場合もありますが、中学受験の場合まだ紙媒体で行う学校が多いようです。そのため、「書き損じ」が発生します。

そこで、まず別に同じような用紙に、下書きを作成すると良いでしょう。そこでは、いくら間違ってもどんどん修正して良い文章になるようにしてください。

願書自体をコピーし、そのコピー用紙を使用するのも良いですが、願書自体を二部取っておくことをお勧めします。他の部分での書き損じの場合にも対応できます。また、できるだけきれいな状態で願書は書くようにしましょう。

2.自分を指し示す言葉

一人称を書く場合、男子の場合「僕」なのか「私」なのかで悩む場合があります。女子の場合は「私」で統一的に記載できるので問題はありません。

願書の自己紹介欄に書く一人称について男子の場合、「僕」でも「私」でもどちらでも大丈夫です。ただし、「僕」の場合、漢字自体を間違えてしまう可能性もあるので、「私」が無難かもしれません。正確に「僕」と書けるお子様の場合は別です。

3.自分を過大や過少に表現してしまうことに注意

お子様に任せきりにしてしまうと、過激な文章になってしまう場合があります。お子様の元気な雰囲気を出そうと肯定的に受け止める向きもありますが、やはり自己紹介文ですので、行き過ぎた表現は避けるべきと考えられます。

例えば、「絶対に・・・」とか「超〇〇」などの話し言葉的な文章は避けていただきたいものです。

4.願書はコピーを取っておきましょう。

願書への記載には色々な項目がありますが、専願校、併願校といくつかの学校を受験する場合には、それぞれに即した内容を書くことになります。これは、別のコラムでご紹介しますが、特に志望動機などを書く場合にはなおさらです。

自己紹介の場合は、自分はどういう受験生かを分かってもらうための文章なので、あまり内容が異なることはないと考えられます。しかし、やはり完成後にはコピーを取っておきましょう

これは、面接試験を課している学校でこの願書を基本に面接される場合が多く、何を書いたのか事前にチェックするために必要になります。複数校を受験される場合には必ず行うようにして下さい。

5.ポジティブ思考を前面に出しましょう。

自己紹介ですので、ネガティブな部分もポジティブに紹介する必要があります。魅力ある受験生であることを書面で知らせるわけですから、ネガティブな文脈での紹介文はマイナス印象を与えてしまいます。

「僕(私)は、小学校でイジメられて、早く学校を卒業したいです。・・・」等は、やはりダメでしょう。

事実だったとしてもこのような場合には、「・・・僕(私)は、中学校では多くの友達を作りたいです。・・・」等ポジティブな内容に変換して書くようにしましょう。

6.明らかに父兄の方が書いたような文章はNG

自己紹介欄に、お子様の良いところをご父兄が願書に書かなければならない場合があります。特にご父兄に書いていただくように指示がない限りお子様が書くようにしてください。

お子様が書く欄で、明らかに大人が書いた文章になっていればマイナス印象になるでしょう。あくまでもお子様の言葉で書くことを重視してください。とはいうものの明らかに間違った言い方、書き方をしている場合には下書きの段階で指摘してあげることも大切です。

自己紹介欄を書くためのコツ

自己紹介欄を書くにあたってのコツというものがあります。自己紹介をたびたび行うことなどは普通ではありません。そこで、無手勝流の記載になってしまう場合が多く、満足いく内容にならない場合があります。

このセクションでは、簡単な自己紹介文の書き方のコツをご紹介したいと思います。お子様やご父兄の方にとって当てはまるコツをご活用ください。

1.自己紹介欄も三段論法で書く

例えば、「僕(私)は、〇〇が得意です。皆からも〇〇が上手いねと言われます。だから、中学では〇〇に参加したいと思っています。」というような「文章の流れ」があれば好印象を与えます。

読み手もスムーズに読むことができ、良い評価を貰うことができることになります。難しく考える必要はありません。

例えば、「自分はAが好きです。AはBと言われます。だから自分もBが好きです。」というような論理的な組み方をできれば良いでしょう。

2.常に自分を意識させておくこと

お子様にとって難しいかもせれませんが、「自分は〇〇だから」ということを意識していれば簡単にスラスラと文章化できるようになります。これには、周囲の人間の協力が必要です。

お子様がどんな子供なのかを常々理解させてあげるような努力が必要です。「〇〇君(ちゃん)は、△△が得意なのね」とか「□□することが上手ね」と言った他愛のない日常会話から生まれます。

そうすることで、自分は何が得意で上手いのかが分かるようになり、文章にも反映しやすくなります。

3.自己紹介欄の大きさに注意

自己紹介欄はにも当然記載するスペースが設けられています。そのため、記載できる文字数がある程度限られていることになります。

上にご紹介した3段論法で書くような場合、3つのスペースに分けます。この時、各々のスペースに何文字くらい書けるのかを計算します。

文字の大きさは、他の部分に記載した文字の大きさとほぼ同じくらいで計算してください。下書きの段階でそれぞれの文字数に合う内容を書きます。

4.文字数に注意

文字数は、特に指定のない場合が多いですが、多すぎても少なすぎてもマイナスの印象を与えてしまいます。極端な例では、1行で済ませてしまう例や、逆に自分を理解させようと小さな文字でギッシリ書いてしまうような自己紹介文になってはだめです。お子様がどうしても書けない場合には、ご父兄がアドバイスを上げても良いかもしれません。

まとめ

今回は、中学受験の願書に書く自己紹介欄の書き方についてご紹介しました。本文中には具体的な書き方のサンプルも加えてみました。

中学受験では学力だけではなく、お子様の成長に合わせた教育レベルを考査することに重きが置かれます。ご家庭での日頃からのお子様との交流を通じて、お子様に自己紹介できるネタを与えてあげる努力が必要です。

義務教育である中学校は、小学校を卒業すれば、ほぼエスカレーター式に進学することができるものです。しかし、そこをあえて、「中学受験を受けた上で子供を私立や国立の中学校に入学させたい」と思い、準備を進めている親御さんも多くいらっしゃると思いますので、ぜひ、入試本番の試験とは直接関係ないものの、親御様ができるサポートとして、願書を完璧なものにしましょう。

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