中学受験 子供から「やめたい」と言われた時どうするべき?

中学受験 子供から「やめたい」と言われた時どうするべき?

中学受験をするにあたり、多くの子が小学校3年生の冬休み頃から塾に通い始めます。受験まで3年近く、勉強に向き合うことになるため、浮き沈みがあるのは当然のことです。中には「受験を辞めたい」と言い始めることもあります。

子どもが受験を辞めたいと言い始めたら、保護者としては辞めさせるべきなのか、続けさせるべきなのか悩むものです。子どもの状況や気持ちによって選ぶべき選択肢は変わってきます。その時ベストな選択ができるよう、今はモチベーション高く受験勉強をしていたとしても、もしも辞めたいと言われたときにどうするべきか考えておくとよいでしょう。

この記事では、子どもが受験勉強を辞めたいと言ってきたらどのようにすべきか紹介していきます。適切な声掛けをすることで、子どもたちにとっても保護者にとっても悔いの残らない選択をしていけるようにしましょう。

目次

まずは辞めたいと思った理由を確認する

突然、子どもから「受験を辞めたい」と言われて焦らない保護者はいません。親子でケンカ中に言われたら思わずカッとしてしまうこともあるでしょう。子どもたちは未熟であり、多感な時期でもあるので日々いろいろなことを考えていますが、思っていることをうまく言葉で表現できない部分もたくさんあります。そこで、保護者はグッと気持ちを抑え、まずは子どもが何を考えているのかを確認することを優先しましょう。

子どもが中学受験を辞めたいと思う理由

落ち着いて話ができそうなら、話を聞きながら中学受験を辞めたいと思った理由を探っていきましょう。一般的には以下のような理由が多いので、頭に入れておくと子どもの話を受け止めやすいですし、言葉が足りなくてもくみ取って上げやすいです。

受験勉強に疲れた

思うように成績が上がらなかったり、受験をしない友達が遊んでいるのがうらやましいと感じたりすることで、受験勉強に疲れて辞めたくなることがあります。受験までは道のりが長いので、勉強している中で「まだ受験まで1年以上ある」と考えると、一気に疲れて歩を止めたくなることもあるのです。

中学受験を辞めて、受験をしない子たちのように遊びたいとか、習い事を続けたいとかと考えているケースもありますが、一時的に少し休めば解決するという場合もあります。子どもと話してどういった気持ちから疲れが出ているのか確認するようにしましょう。

塾に行きたくない

塾の勉強が難しい、塾や先生との相性が悪い、友達とのトラブルがある、など塾に行きたくなくなる理由は様々なものがあります。完全に受験を辞めたいと思っている場合もありますが、中には他の塾に通えば解決するというケースもあるので、具体的に何がネックになっているのか確認することが必要です。

最近は塾の中でもいじめが起きているというようなケースもあります。いじめられているとハッキリ伝えられない子も少なくありません。ただ先生や友達と相性が悪い、ということで解決するのではなく、具体的に何が問題となっているかを確認することが大切です。

勉強が難しくてついていけない

小学校の勉強にはついていけていた子でも、中学受験の内容となると難しくてついていけなくなるというケースは多いです。クラスの子と差をつけられたり、授業の内容が全くわからなくなっていたり、宿題が多くて全くこなせなくなっていたり、という状況になると不安から辞めたいという気持ちが出てくるようになります。

勉強についていけない理由として、塾の指導方法が子どもと合っていないという場合もあります。グループ指導ではなく個別指導や家庭教師を検討してみたり、難しい内容については保護者がフォローを入れたり、といった方法で乗り越えられることもあります。

受験を辞める決断は慎重に

子どもたちが「受験を辞めたい!」というと「辞めればいい!」と言いたくなることもあります。しかし、一度辞めてしまうと、もう一度やり直すということは簡単なことではありません。

また、子どもたちにとっても「途中で受験をあきらめた」というネガティブな記憶しか残らなくなってしまいます。もちろん、中途半端な状態でずるずると続けることも良いことではありません。そこで、しっかりと話合いをして、受験を続けるのか辞めるのかを判断するようにしましょう。

一定期間休んでみるのもひとつの選択肢

親子での話し合いがまとまらない場合や、本人の意思が固い場合、すぐに辞める決断をするのではなく、一週間や一か月休むというのもひとつの方法です。休んでいる時間に落ち着いて子どもともう一度受験について話し合うこともできますし、子どもによっては休んだことによってもう一度頑張ろうというモチベーションが戻ってくることもあります。

塾の勉強についていけない、先生との相性が悪い、という場合には、他の塾に体験授業に通ってみるのもよいでしょう。他の塾であれば通える、家庭教師や個別指導などマンツーマンや少人数なら続けられる、という場合には形を変えて続けるようにすれば、受験を続けられるようになる場合もあります。

受験を辞めたくなったら親子で意義を考え直す

中学受験をしようと思った理由はなんでしょう?家庭によってスタートの思いは様々です。通いたい学校がある場合や、やりたいことがある、という場合もあれば、周囲が受験をするからなんとなく決めたということもあるでしょう。

子どもたちが受験を辞めたいと思う理由は様々ですが、辞めたいと思うきっかけに「受験に合格する」ことにとらわれて、受験する本来の意義を忘れてしまっていることがあります。保護者もいつの間にか合格することにばかり目がいってしまっていると、子どもの状況を正しく判断できなくなってしまったり、子どものサインを見逃してしまったりする可能性が高いです。

親子で受験をしようと思ったきっかけを考えてみると、今は受験勉強をするべき時期なのか、はたまた高校受験でも良いと思えるのか、ということが見えてくるようになります。保護者も日常の忙しい中にいると、受験の意義を見失いがちです。子どもからの受験を辞めたいという言葉には一瞬焦るかもしれないですが、親子共に受験について考え直す良いきっかけとなるでしょう。

子どもたちの「辞めたい」と聞くと、それだけで保護者も疲れて、もう辞めてしまいたいと思うこともあるかもしれません。しかし、辞めることで一時的に親子共に気持ちは楽になるかもしれないですが、後からどんどんと後悔が押し寄せてくることもあります。子ども自身も途中で辞めてしまうと、中学受験の経験は「途中で逃げた」というものしか残らなくなってしまいます。

中には中学受験をせずに高校受験に切り替えたことで気持ちの整理ができ、高校受験で成功するという子もいますが、中学受験を辞めたことで「逃げグセ」がついてしまうという子も少なくありません。辞めるとしても、しっかりと親子で話し合いをして、納得した形で辞めることが大切です。

一度立ち止まって考えなおして、やり直すことができれば巻き返しも期待できます。「休んでしまったから取り返すのが大変」とか「今からでは間に合わない」とかといったことは考えないようにしましょう。保護者が後ろ向きな考えになると、自然と子どもにも後ろ向きな気持ちは伝播してしまうので注意が必要です。

受験する科目を減らしたり、塾を個別指導や家庭教師に変更したり、といったように形を変えて続けることもひとつの方法としてあります。こういった形を変えることは「逃げ」ではありません。「妥協してしまった」「逃げてしまった」といったネガティブな感情をもってしまうと良い方向に進まなくなる原因です。方向転換をしたことを前向きにとらえ、心機一転取り組んでいけば結果につながりやすくなります。

まとめ

受験を続けることも、辞めることも、よく考えて出した決断であれば、そのときのベストの答えです。辞めたいという言葉が子どもたちから出たら、何が原因なのか親子でゆっくり考え、どう行動すべきなのかじっくりと話し合い、子どもたちの悩みにしっかりと向き合ってあげてください。もし、もう一度頑張ろうと思えたなら、そこから気持ちを切り替えて、親子共に全力で受験に向かい合いましょう。

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