中学受験 国立中学のメリットデメリットを徹底解説

中学受験 国立中学のメリットデメリットを徹底解説

中学受験をする際に大切になるのが志望校選びです。最も多いのは私立中学校ですが、他にも公立中高一貫校や国立中学校もあります。あまり学校数は多くないですが、通える場所にある場合、国立中学を志望校に入れるかどうか迷う家庭もあるでしょう。

そこでこの記事では、そもそも国立中学がどのように区分されている中学なのか、メリット・デメリットも含めた国立中学校の特徴について紹介をします。

目次

国立中学校とは

そもそも国立中学校とはどのような学校のことなのでしょう。

学校教育法による区分

日本にある中学校は公立、私立、国立の3種類があります。公立は地方公共団体が設置、私立は法律が定める法人が設置、国立は国が設置、と学校教育法で示されています。公立中学校は試験はなく、その地域に住んでいれば誰でも通うことができますが、国立と私立は入学試験で合格した人だけが通うことができます。

国立中学校は全国にありますが、地域によって学校数はバラバラです。首都圏の場合には、千葉と埼玉には1校ずつですが、神奈川は2校、東京は8校あり、中には男子校もあります。

公立中学校との違い

私立中学ほど明確な特徴がないため、公立中学校と国立中学校の違いが判らないという人も少なくありません。試験があること以外にも、国立中学校には公立中学校と違う点がいくつかあります。

まずは国立大学法人法に基づいて運営されている点です。国立大学の教育学部の附属学校として運営されています。そのため「○○大学教育大学附属中学校」といった名前の学校が多いです。

教育学部の附属学校であるため、教育研究機関としての協力や支援、実践研究といった場に活用されることもあります。実習生を多く受け入れたり、大学からの調査研究の依頼を受けたり、教育課程など新しい取り組みにいち早く取り組んだりすることもあります。

国立中学校は小中一貫校が多い

私立中学は中高一貫校が多いですが、国立中学校の場合には小学校と中学校の義務教育の9年間が一貫となっている小中一貫校が多いです。そのため中学で入学しても大学受験が必要になります。

ただし、地域によっては高校も備えている場合があります。東京都の場合にはすべての国立中学校に高校が備えらえています。ただし、内部進学がそのままできるわけではありません。学校によって内部進学の規定は様々ですが、どの学校も試験がありますし、難易度は学校によって変わります。進学する際には内部進学制度もきちんと確認しておく必要があります。

国立中学校に通うメリット

国立中学校に通うとどのようなメリットがあるのでしょう。

新しい教育法の授業が受けられる

公立の中学校とは異なり、国立中学校は付属の大学の最新の研究やノウハウの実践のために最先端の教育を受けることができます。ただ座学で授業を受けるだけでなく、討論をしたり、フィールドワークをしたりといったことにも積極的です。

最新の環境で勉強をさせたい、他の学校とは違う個性的な勉強を経験させたいという保護者にはぴったりといえる環境でしょう。授業も私立ほどスピードアップして行うわけではないので余裕があります。個性や自由な発想を重んじる傾向があり、のびのびと勉強をすることができます。

学費を抑えて私立のような環境で勉強できる

公立中学と同じく、国立中学校は授業料が無料です。もちろん、授業料は無料でも、施設使用料など諸費用はかかるので、まったく学費がかかるというわけではありません。しかし、学校に通うにあたってかかる費用は私立に比べると格段に抑えることができます。

学費が抑えられるので、習い事をしているという生徒も多いです。塾に通うだけでなく、ピアノやバイオリンといった音楽系の習い事や、スポーツをしている子も多く、趣味としてだけでなく本格的にプロを目指すという子も中にはいます。

試験があること生徒の質が高い

私立に比べて校則も少なく自由度が高いので、公立に近い雰囲気はあるものの、入学試験があることで学習環境は整っています。募集人数が少ない学校も多く、試験の難易度も高いので、集まる生徒のレベルも高く、切磋琢磨することができます。

学校の雰囲気も良く、問題行動を起こす生徒がいる可能性も少ないです。あまり厳しすぎず、でも整った学習環境で過ごしてほしいと考える家庭には合っている環境でしょう。

内部進学制度がある学校もある

先に述べた通り、学校によっては附属高校への内部進学制度がある場合もあります。国立の附属高校は難易度も高く、一般試験で合格するのはとても大変なので、内部進学できるのはとてもメリットが高いです。

ただし、学校によっては内部進学が無い場合もありますし、内部進学ができたとしても難易度がとても高い場合もあります内部進学を検討している場合には中学3年間しっかりと準備が必要になります。

国立中学校のデメリット

国立中学校に通うことはメリットもありますが、やはりデメリットもあります。きちんと両者を理解したうえで志望するかどうか検討しましょう。

入試の倍率が高い

全国的に言えることですが、国立の附属中学校は様々なメリットがあるために人気があります。しかし、小学部から内部進学してくる生徒がいるため、合格者数があまり多くありませ。そのためかなり狭き門となり倍率も高いです。

合格させるためにはかなり対策をしておく必要があります。中には兄弟・姉妹で一緒に通わせたいと考える家庭もありますが、どちらも通えるとは言い切れないことも理解しておきましょう。

私立中学受験と同等の受験勉強が必要

国立中学校の願書や説明会では「小学校の授業内容を理解できていれば十分」といった説明がされることが多いです。たしかに問題の難易度自体は私立中学に比べるとそこまで難しくありません。しかし、倍率の高さを考えると、かなりの高得点が必要であり、試験のための対策が必要となります。

一昔前は塾に通わず受験勉強して合格するという家庭もありましたが、今は大多数の家庭が中学受験のための塾に通わせて勉強しています。私立中学を受験するのと同等の受験勉強が必要であり、小学校5年生以降は勉強ばかりになります。

学費はかからないが受験勉強のための学費はかかる

国立中学校は学費がかからないため、受験もあまり費用が掛からないイメージがあります。たしかに合格後の学校生活にはあまりお金がかからないですが、受験勉強は一般的な私立中学を受験するのと同じくらいの費用がかかります。受験勉強のために塾に通う費用についても考える必要があるでしょう。

先生の入れ替わりがある

私立中学校は先生の異動がほとんどないですが、国立中学校は公立中学校と同じように先生の異動があります。大学から赴任してくる先生がいたり、逆に大学に戻る先生もいたりします。そのため卒業後も同じ先生が学校に残っているとは限りません。

また、大学の教育機関という位置づけであるため実習生も多く授業に入ります。実習生が授業することで進みが悪くなったりわかりにくくなったりすることもあります。いろいろな先生に習うことができるのはメリットである反面、入れ替わることによるデメリットはあります。

教育実験校である

教育実験校であるため、最先端のメソッドや他の学校が取り組んでいないような学習に取り組むことができるのはメリットです。しかし、あくまでも効果の検証のために取り入れるのであり、確実に効果が出るとは実証されていません。そのため、先進的な教育が受けられるから高い学習効果が得られるとは限らないのです。

このような取り組みは数年単位で行われます。そのため入学したタイミングによっては途中でカリキュラムやメソッドが変わる可能性もあります。入学時に希望した学習が卒業時まで受けられるとは限らないことも理解しておく必要があります。

小学校の成績が合否に影響することもある

私立の中学受験でも一部の学校ではありますが、国立中学校の場合にはほとんどの学校で調査書の提出が必要になります。小学校での成績や学習態度、特記事項といったものの内容によって合否が影響することがあります。

私立中学に比べると、国立中学校を受験する場合の調査書は高校入試の内申書の位置づけに近いです。入試の結果だけでなく小学校での成績や日常態度も合否に影響するため、対策すべきものの範囲が広くなります。

合否が抽選で決まる学校もある

国立中学校の中には試験が一次選抜とされていて、二次選抜として抽選が行われることがあります。抽選の方法は学校によって様々ですが、自分の実力だけで合否が決まらないという点で努力が報われない結果になることがあります。

国立中学校を受験する場合には私立中学校は受験するのか

国立中学校を志望する保護者の多くが悩むのが私立中学校を受験するかどうかということです。

地域によって異なるが私立中学も受験する家庭の方が多い

東京のように複数の国立中学校がある場合には、国立小学校に絞っての受験ができます。しかし他の地域は国立中学校が地域に1校しかない場合がほとんどです。そのため私立中学校と併願して受験をする家庭が多いです。

最近では公立中高一貫校が増えてきたので公立中高一貫校と国立中学校を併願するという家庭もあります。もちろん、国立しか考えていないという家庭の場合には、国立中学校の身に絞って受験をするという家庭もあり、最終的な決定は地域の学校の状態や家庭の方針によります。

基本的な対策は同じなので塾から私立中学受験をすすめられることも

国立中学校を受験するとしても、基本的に勉強するべき内容は同じです。そのため中学受験のために塾に通っている家庭の方が多く、独学で受験を目指すという家庭はほとんどありません。

中学受験のために勉強する内容が変わらないということで、国立中学を志望していても、塾から私立中学の併願を勧められることはよくあります。もちろん塾にすすめられたからといって必ずしも私立中学を受験しなければならないわけではありません。きちんとすすめられた学校を見学してみて、気になったら併願することも視野に入れましょう。

最近では国立中学や中高一貫校と同じ傾向の試験問題の学校もある

近年の国立中学校の人気や、公立中高一貫校人気の影響もあり、国立中学校のような試験問題や、公立中高一貫校の適性検査のような問題を試験問題としている学校も増えています。国立中学校の試験対策や予行練習として受験を勧められることもあります。

受験して合格しても必ず通わなければならないわけではありません。本番に向けての練習として受験するのもよいでしょう。

国立中学校の入試はとても難しい

国立中学校はカリキュラムや学習環境、学費など様々な面で魅力があるためとても人気です。しかし合格できる人数が少ないため、とても入試は難しく、今後さらに難化傾向は進むと予想されています。そこで受験する際にはいくつか気を付けるべきことがあります。

親子共に難しい試験であることを理解しておく

どれだけ試験勉強を頑張ったからといっても必ずしも合格できるとは限りません。特に国立中学校の場合には、抽選があるケースもありますし、調査書の評価も加点対象になります。そのため、本人の努力だけではどうにもならない部分があるのです。

そこで、勉強したら絶対大丈夫とか、絶対合格しよう、とか、合格することばかり子どもに気持ちを受け付けることはやめましょう。もちろん、難しい試験だから適当な勉強でよいというわけではありません。しかし、あまりにも「できる」「大丈夫」「合格」といった言葉を伝え続けると、もしも不合格だったときのダメージが大きく立ち直れなくなることも少なくないです。

親子共に「勉強したからといって絶対合格するとは限らない」「だめだったときには公立中学校に通うことになることもある」「他の市立中学校に通うことになることもある」といったことを確認し、それでも受験したいと思えたなら受験するようにしましょう。

通わなかったとしても別の学校も受験して合格を経験する

合格して通うのは国立中学校のみに絞っていたとしても、受験の際にはいくつかの学校を受験して合格する経験だけはさせておくようにしましょう。不合格という経験だけでなく、合格という経験があるだけでも子どもたちにとっては中学受験の経験が成功体験として記憶に残ります。そこで通うつもりはなかったとしても、他の学校を受験することを検討しましょう。

通うつもりがなく、合格を経験させたいという場合なら、合格圏内にある学校を受験するようにします。敢えて不合格を重ねる必要はありません。もしも国立中学校以外にも検討している学校がある場合には、その学校を入れつつも合格が1つ取れる形での併願を検討するようにしましょう。自分たちでうまく併願が組めない場合には、塾に相談をして併願校を探すようにします。

私立中学校の受験と同じつもりで行動する

国立中学校は私立中学校とは入試問題の傾向が違うから自宅学習で十分とか、塾に通うのは小学校6年生からでも間に合う、といった考えの人もいます。しかし、最近は国立中学校を受験する人の多くは私立中学校も併願しています。そのため、早いうちから中学受験の準備に取り掛かっておくことが望ましいです。

国立中学校以外は受験するつもりではなかったとしても、やはり学校の授業だけでは受験に対応するだけの学力をつけることは難しいです。計算の精度やスピードを上げたり、漢字を覚えたり、といったことは学校の授業や宿題だけでは足りません。試験問題でも小学校で学習する内容を用いて考える力が求められるため、4科目全てにおいて知識と様々な問題に取り組んできた経験が求められます。そこで、一般的な中学受験同様に小学校4年生から5年生のうちから準備を始めることが望ましいです。

最近は様々な特色のある私立中学が出てきている

最近は少子化を受け、どの私立学校も生き残りをかけていろいろな取り組みをしています。教育方針も様々で、少人数制の授業をしたり、語学学習に力を入れていて留学制度を取り入れていたり、と力を入れている点も様々です。

そこで、ひとことに「国立中学校にしか通わせない」というのではなく、私立中学校も併願校として視野に入れてみましょう。見学してみると志望している国立中学校と同じようなカリキュラムや学習環境の私立中学校もあるかもしれません。

費用面で私立中学校に通うことを悩んでいる家庭もあるでしょう。そのような家庭は特待生制度のある学校を検討するのをおすすめします。特待生制度にも様々なものがあり、入学時にかかる諸費用が免除となるもの以外にも、中学校3年間の学費が免除となるもの、1年生の学費が免除になるもの(2年生以降は成績によって更新)といった制度のある学校があります。こういった学校なら、学費を抑えながらも国立中学校と同様の教育を受けることができます。

まとめ

国立中学校には私学とは異なる様々なメリットがあり、とても魅力的です。しかし狭き門であることをはじめ、いくつかのデメリットもあります。きちんとメリットとデメリットを理解したうえで受験に臨むことが大切です。

また、国立中学校の問題は小学校の内容に付随しており、一般的な中学受験の問題に比べると簡単に思われがちですが、準備は早い段階から必要になります。私立中学校の受験と同じ流れで準備をしなければならないと理解しておきましょう。私立中学校の受験と同じように準備を進めておけば、私立の学校を併願することもでき選択肢も広げられます。

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